劇場公開日 2015年8月1日

  • 予告編を見る

「前作の利点と欠点をそのまま引継いだ作品。」パージ:アナーキー Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0前作の利点と欠点をそのまま引継いだ作品。

2015年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

パージ制度の描写は前作同様に比較的丁寧。
「年1回全ての罪が赦される12時間」を設けることで秩序を保つ社会。
『気にいらねぇ奴をブッ殺してやるぜ! ヒャッハァー!!』という基本形を見せつつ。
回を重ねたことで生じた変化、実は制度設計時から意図されていた思惑も提示。
時間経過を実感させる作りには前作同様にグッときました。

特に富裕層のパージの過ごし方の描写が良かった。
前作には無かった新要素。
この新たに提示された要素、斬新であると同時に納得感もあり。
この要素から広がる話の展開が呑み込み易かったです。

また主人公であるフランク・グリロも良かった。
前作は一般人で戦闘に不慣れな男をイーサン・ホークが好演していましたが。
本作は戦闘経験を持ち明確な殺意を持つ「狩る者」をフランク・グリロが好演。
常に眉間に皺を寄せつつ華麗な銃捌きを見せる姿は格好良かったです。

惜しむらくは…前作同様…或る人物の倫理観と言動。
やはり“正しい倫理観”を担う人物に苛々させられる。
彼等の言動は或る種の観点からは正しいのかもしれませんが。
パージが制度化された社会で生き残る、という観点からは不適合。
前作に比べると自分で風呂敷を畳もうとする姿は描かれていましたが。
それでも口だけ達者という印象を抱き、終始苛々しました。

前作の利点と欠点をそのまま引継いだ作品。

観ないと全く理解出来ない訳では無いですが。
或る場面で前作との繋がりを持つ人物が登場してアガるので前作は必見。
まだまだパージの世界は広がる余地、未回収の要素があるため。
追い駆けられる今のうちに前作/本作を押さえておくと良いと思います。
オススメです。

コメントする
Opportunity Cost