劇場公開日 2014年12月20日

  • 予告編を見る

「傑作です」百円の恋 harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5傑作です

2015年1月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

やっと観ることが出来た本作…。
評判通り良かったです。

特に安藤サクラさんが最高です。
彼女あっての本作でしょう。

話は大雑把に言ってしまえば『もらとりあむタマ子』と同じようなものだが、何せタマ子のほうは前田敦子ちゃんですからね。
自堕落とは言っても可愛いさがあった。
しかし本作の安藤サクラさん演じる斉藤一子はブサイクだ。
自信の無さからなのか、他人とのコミュニケーションをとるのが上手くなく、何気に周りからも傷つけられる分、観ていて「痛い」のだ。
そしてそんな「ブサイクで痛い女」を体現している安藤サクラさんが素晴らしい。
彼女の女優魂に脱帽する。
プロとはこういうことだと改めて感心させられた。

そのブサイクで痛い一子がボクシングと出会い、今までの自分から脱皮していく。
ブサイクで痛かったあの一子が見事にシェイプした肉体で輝きを放つ試合のシークエンスは実に美しい。
特に入場シーンは印象的だ。
誰もが彼女を応援するだろう。
そうなのだ。
ブサイクとかは関係ないのだ。
人は頑張っている人を応援するのだ。
頑張っている姿はとても魅力的だ。

私は人生を勝ち負けで判断するのは好きではないが、本作の一子は勝ったのだ。
他人にではなく、グダグダだった自分に…。
頑張って1つの結果を残せたのだ。
私は一子に大きな拍手を贈っていた。
(心の中で)

リトル・ミス・サンシャインの中でのセリフを思い出した。
[負け犬ってのはな、負けるのが怖くて何もしないヤツのことだ]…。

公開規模が小さくて鑑賞に苦労したが、本当に観て良かったと思う。
本作のような映画は日本アカデミー賞には縁が薄いだろう。
大人の事情と言うやつで、そういうものだと分かってはいるが、本当に興醒めだ。

しかし本当の映画ファンは本作のような映画を放ってはおかないはずだ。
本作のスタッフと出演者に最大の拍手を贈りたいと思う。
「感動をありがとうございました」

harukita
ウルトラカメセブンさんのコメント
2015年1月25日

おっしゃる通りです。こんな凄くて素晴らしい女優さんが居たなんて、
おったまげました。
他の作品も探して観たいと思います。
これからの活躍に期待していますが、こんな作品ばかりやっていては
身が持たないのではと心配にもなります。

ウルトラカメセブン