劇場公開日 2015年5月30日

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「笑えて、ホロリとして、温かくて、フーフー愛日記」夫婦フーフー日記 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0笑えて、ホロリとして、温かくて、フーフー愛日記

2019年12月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

単純

幸せ

共通の友人を介して出会った、作家志望のコウタと快活な性格のユウコ。
それから17年、ずっと仲の良い友達で、色恋には発展しなかったが、ユウコがお見合いをする事となり、それがきっかけでプロポーズ。
晴れて結ばれ、子供も産まれ、幸せの絶頂だったが…、
ある日ユウコに直腸がんが見つかり、急逝してしまう…。

実在の夫婦の愛の軌跡とがん闘病記を綴ったブログを基に映画化。
この説明だけならよくある湿っぽいお涙頂戴劇。
そうだったら、この夫婦には申し訳ないが、大して惹かれなかったろう。
しかし映画は、大胆味付け。

まず、思ってた以上にコメディタッチ。
それを盛り上げてくれるのが、佐々木蔵之介と永作博美。
とにかくこの二人の、軽快なやり取り、掛け合い、“夫婦漫才”が最高!
本作の魅力の大部分を補っていると言っていい。
周りの友人たちも個性的。

そして、回想形式…と言うか、二人のこれまでを綴り纏めた出版予定の原稿をツッコミ&言い合いしながら、二人が共に歩んだ日々を振り返る。
でも、ユウコは故人なのに、どうやって…?
ユウコは死んだ。…筈なのに、目の前に居る! しかも、やかましく散々話し掛けてくる。
そう、死んだヨメが幽霊?幻影?となって、ダンナの前に現れ…という設定。
これもそう珍しくはない設定だが、これが実話を基にしているから驚き。
実話を基に、そんなファンタジックな大胆設定にしていいの…?
これで作品がつまらなかったら話にならないけど、特筆すべき!…とまでは言わないが、上々のハートフル作。

ダンナとヨメの生者と死者による(?)丁々発止の夫婦漫才。
葬式の席やその他でもしつこく話し掛けてくるヨメに、「うるさい」「黙れ」。
端から見れば、悲しみでおかしくなった…?
この手の作品の定番と言っちゃあ定番だが、クスッと笑えて。
そして、

ヨメを失ってからのダンナ。
本にしようとするが、周囲の反応は…。
新しい仕事に不慣れ。
仕事に没頭して、まだ赤ん坊の息子の世話がおざなりに…。
一人の人間として、父親として、これからやっていけるのか…?
不器用過ぎるダンナ。
ヨメが心配して出てくるのも無理はない。

友達としては17年。
夫婦としては2年も無い。
あんなに一緒に居たのに、突然の別れ。
そりゃあショックや悲しみは大きい。
でも、それ以上のものを与えてくれた。
またそれを再確認出来て、これからきっと、やっていける。
ホロリとして、温かくて。

ハンバーガーを食べる度に思い出す。
うまそー。

近大