劇場公開日 2014年11月28日

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「腹に響く重低音」フューリー えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0腹に響く重低音

2014年11月30日
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泣ける

単純

興奮

『フューリー』を観賞。
ブラッド・ピッド主演最新作。
舞台は第二次世界大戦ヨーロッパ戦線、独軍制圧に向かう米軍兵士の活躍を描く。
今作の見所は何と言っても現存する戦車を借り受けて撮影に使用した事によるリアリティ溢れる戦車バトル。

米軍のシャーマン戦車と独軍ティガー戦車のバトルは迫力満点で、劇中は激しい重低音が腹に響き渡る。
監督は元軍人というデヴィッド・エアー。
リアリティを追求したというだけあって、戦争を扱う映画としてはいたってシンプルな構成となっている。
敵軍は無条件で撃ち殺す。その理由は御国の為とかそんな思想的なものではなく、あくまで任務であり仕事だからである。

フューリーと名付けられた戦車の乗組員を統率するドンを演じるブラッド・ピッドの熱演も素晴らしいの一言で徹底して任務遂行を果たそうとする。そんなある意味単調になりがちな展開に、新人兵士ノーマン(ローガン・ラーマン)の成長物語という観客が共感しやすい展開を交えた点も良い。

「たった5人で300人のドイツ軍に挑んだ男たち」

販促で使われているこの文句だけを聞くとランボーのような非現実なファンタジー戦争映画をイメージしてしまうが、決してそんな事はなく、最初から最後までリアリティ溢れる見応え抜群な作品に仕上がっている。

戦車マニアのみならず戦争映画に抵抗がなければ是非劇場の迫力ある音響設備での観賞をお勧めする。

えのきち