「松尾スズキが松たか子の熟れた躰を楽しんでいるだけの作品。」ジヌよさらば　かむろば村へ　Opportunity Costさんの映画レビュー（感想・評価）

特筆すべきは松たか子の熟れた躰の魅せ方。
矢鱈と強調される“団地妻”的な色気。
二の腕、太腿、鎖骨 etc。
噎せ返るような頽廃的で淫靡な雰囲気。
或る場面での“適切な衣装と着崩し方”にはグッときました。

ただ本要素は話を進める上で必須とは言い難く。
加えて、松たか子の色気が強調される場面は殆ど松尾スズキが絡んでいる。
監督/脚本の松尾スズキが松たか子の躰を楽しんだオコボレをいただいているような何だか微妙な気持ちにもなりました。

松たか子の熟れた躰以外は総じてイマイチ。

灰汁の強い、感情移入し難い人物達が次々と出てきて。
ワーワー騒いで本筋に然程関係ない“面白げ”な小ボケを。
面白くない小ネタでいちいち話が止まるのでポンピングブレーキをされ続けるような不快感が続きます。
また話の展開自体も納得し難い要素が多く。
甘やかされ続ける武晴にズーーーッと苛々する。
終盤、或る人物の個性を亡きモノにしたことを“良い話”風に描いた点にも唖然としました。

松尾スズキが松たか子の熟れた躰を楽しんでいるだけの本作。

福田雄一作品がお好きな方であれば。
オススメです。