劇場公開日 2014年6月14日

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「謎解きスリラーとしての楽しみ」オープン・グレイヴ 感染 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0謎解きスリラーとしての楽しみ

2022年9月11日
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冒頭のシーンから雰囲気系の謎作品な気がしていたが、実際はそれなりに見応えのある謎解き系のホラー作品だった。記憶が無い状況の男女がその謎に翻弄されていく物語であり、次第に蘇る記憶と、凶暴な人々の存在等の不安要素が沢山登場し、ラストが気になるハラハラ感を味わえる。記憶が無いというのはかなり怖くて、集まった男女も以前はどの様な関係性だったのか、敵味方の判別が出来ず、蘇る記憶とともに怪しくなって来る人物がいたりと、引っ張って引っ張って最後までソワソワさせられる事必至だ。
ストーリーは割と穏やかに進み、目まぐるしく移り変わる様なシーンは無く、非常に親切な作品だろう。ところがそういったことに対して控えめな本作は、そこがマイナス点にもなっている様に思える。単調でゆっくりと進む本作には、本来であれば感じるはずの緊迫感や臨場感が極めて薄いのである。午後の穏やかな陽気の中で鑑賞すると良い子守唄の役割になってしまうかも知れない。
難しすぎない謎解きと、適度な恐怖シーンやショックシーンを混ぜる事で、作品としては観やすいと思う。低予算な作品だがチープさ等はさほど感じず、何かそういったストーリーとは関係の無い要因で作品が邪魔される事無く成り立っていた。
引っ張った割には意外とサラッとしたアンサーが帰ってくるが、最後のシーンまで記憶障害という設定がやきもきさせてくれる。変わり種のホラーが観たい人にオススメしたい作品だ。

Mina