劇場公開日 2015年4月11日

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「前後編での半端な断絶が気になる」ソロモンの偽証 後篇・裁判 くりあさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5前後編での半端な断絶が気になる

2015年4月15日
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知的

後編単体ではなく全体の評価として。

キャラクターの行動原理が若く未熟で中学生らしい勢いでストーリーを押し切る。
しかし、その勢いに比して、展開が間延びしているように感じられてしまうのは、裁判ということで淡々と進めているだけではなさそうに思う。

主人公涼子視点の話なので涼子のキャラクター掘り下げはされてるものの、事件の根幹に関わる神原や柏木ですら、ストーリー上で必要な部分を表面的になぞっただけに思える。それは中学生ゆえの短絡なのかもしれないが、ならば三宅親子を描きすぎてる感じが否めない。
そして、大人は全員脇役だからと言わんばかりの適当な扱いすぎて、校長の生徒評価や、担任女性教師の変化や展開、テレビ関係者や報道の放置っぷりに違和感がある。
大人キャラクターにある前後編での断絶が、事件と裁判の切り分けで意図されたものなのであれば、校長や担任教師のその後もばっさりやっても良かった気もする。
大出の手下二人はばっさり切ってるんだしできなかったことはないと思うのだが。

その辺りの意図がわからず、大人になった涼子の回想で語る形式なことに意味を感じない。
涼子の主観的な話としてなら脇の大人を描きすぎてるし、大人になった現在と当時の大人の対比としては描写が足りない。
締めの現校長との会話も、どうまとめたかったのかわからずすっきりしなかった。
事件の真相と裁判の結末がちゃんと落ちた分、一層。

原作の戦闘力と子役の力で高い質ではあるものの、前後編の映画の作りとしては疑問が残る。星2.5。

くりぽん