「私なりに考えてみました。」複製された男 BOSSさんの映画レビュー(感想・評価)
私なりに考えてみました。
主人公アダムの妄想という解釈だけだと、矛盾するところがあります。
以下は私の想像です。
•アダムは大学生のころ、演劇サークルに入った
•昔から憧れていた俳優になりたかったが、現実では大学で非常勤講師としてやっていくしかなかった。
•妻ヘレンには自分は俳優だと名乗っており、昔出演した作品を見せたりしていた(初めアダムが発見したDVDでは髭がなかった。つまり若いという意味)
•妻が妊娠してからは俳優の仕事はせずに、毎日を大学で過ごしていた。しかしアダムの性格から刺激のない日常は耐えられなかった。事務所へ行ったときに「半年ぶりだね」と警備員に言われたのはそのため。
•ホテルで二人が会うのは、自分自身を見つめ直すため。アダムは逃げ出したのは、今の自分のロクデナシさに吐き気がしたのだろう。
•アダムは妻には俳優であるアンソニーとして、毎日何かしらの撮影に行ってるように見せていた。実際は大学で授業をしている。そして浮気相手(高所得者に見える女性)の家に泊まったり、セックスをして帰ってくる。またそれだけじゃ飽き足らず、会員制のクラブに出入りしている。
•ラストは浮気相手に指輪の件で破局し、もとの家に「アダム」として戻ってくる。妻ヘレンの眼差しからして、アダムの浮気には気付いている模様。アダムが言った「すまなかった」とはアンソニーになりすまして誤っているのではなく、浮気をしていてすまなかったという意味。
さて、最後に「クモ」の意味ですが、みなさんの解釈では「母性」が多いようですね。私も賛成なのですが、どうもアダムの母親と言うよりも妻ヘレンの母性のように感じます。
結局、浮気相手とは縁を切っても性欲には勝てないようですね(笑)最後にあの「鍵」を見たとたん、すぐにその晩にクラブへ行こうとしました。よく奥さんは旦那が浮気をしているとすぐに気付くと言いますが、このときのアダムもそうだったんでしょうね。妻ヘレンの強力なさっきが大グモと化して、「やっと見つけたぞ!」とでも言っているようでした。
冒頭のクモは小さかったですが、あれは妻ヘレンのアダムに対する「疑心」なのでしょうか。
途中からビルよりも大きいクモと成長し、浮気している旦那を街中探していました。