劇場公開日 2014年4月12日

  • 予告編を見る

「単調な話。もっと展開を工夫してくれれば」世界の果ての通学路 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0単調な話。もっと展開を工夫してくれれば

2015年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

単純

幸せ

総合55点 ( ストーリー:30点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 朝、家を出て学校に向かった子供達は、本当に無事に帰ってこれるのか。テレビでこのような話を何度か観たことがあるので、内容としては目新しいことではなかった。でもこれを観ていると、そんな心配を真剣にしなければならない日常はどんなものだろうかとやはり考える。それでも子供達は学校に出かける。強制されるのではない、勉強がしたいから出かけていく。自分もほんの一時期だが、二時間半かけて通学したことがあったが、電車に乗っているだけの自分は少なくとも象に襲われることを心配したことはなかった。先進国にいて教育を普通に受けられたことをつくづく幸せに思うし、彼らの将来に幸あらんことを願う。

 この作品は記録映像としては面白い主題だとは思う。しかし映画としては弱さもある。いきなり大変な通学を始める生徒を追いかける始まり方は、どんな生徒がいてどんな親がいてどんな希望を持ってそこまでして勉強に取り組むのかということを視聴者に理解させてくれない。個々の生徒の人柄を引き出す努力も薄い。最後に生徒の将来の夢を語る場面がほんの少し登場するものの、ひたすらに通学の様子を撮影するだけの物語性も登場人物を掘り下げることが少ない展開では、せっかくの子供達にもあまり思い入れが深くはなれない。そのあたりがしっかりと描いていれば、もっと良い作品になれたのではないか。

コメントする
Cape God