劇場公開日 2014年5月24日

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「意外に健全な老人の馬鹿騒ぎ」ラスト・ベガス Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0意外に健全な老人の馬鹿騒ぎ

2020年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合:60点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 栄光を重ねた有名俳優4人が、老いた幼馴染を演じる。老いたからといってもう年だからなどと言わずに、妻を亡くした喪失感が残るデ・ニーロ以外はそれぞれが精力的に動き回る。昔のしがらみでぎくしゃくすることもあるが、それでも人生を彼らなりに楽しんでいて老いた体を精いっぱい動かすのは、精神に若さがまだまだ残っているから。
 昔から大活躍しているところを観ていた俳優達がいまだに元気が余っている姿には、こちらも喜ばしい限りであり楽しく観られる。脇役ではデ・ニーロの横に住んで料理を持ってくる世話役のエリザベスが登場時間が少ないなりに人懐っこく迫ってきて懐に入っていくのが存在感があった。

 反面、不道徳的なようにみえてかなり道徳的であり、道を踏み外すことなく常識的な範囲での馬鹿騒ぎということがありきたりで白々しさを覚える。女もたくさん出てくるが、結局は落ち着くところに落ち着くという面白みのない結末になっている。昔から他の映画では相当の無茶苦茶やってきた俳優たちが、ここでは無茶苦茶やっているようで実は健全に騒いでいるだけで終わってしまっているという裏切りがある。その意味で何も破綻も失敗も無くて、これだけの出演者が揃ってむしろ普通に小さくめでたしめでたしで納められた事に落胆もあった。

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Cape God