劇場公開日 2014年10月25日

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「【”恋人の葬儀に出掛けて見れば、そこには鬱屈した思いを抱えるモンスターの兄がいた・・。”グザヴィエ・ドラン25歳の監督作。才能あり過ぎだろう!グザヴィエ・ドラン!】」トム・アット・ザ・ファーム NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”恋人の葬儀に出掛けて見れば、そこには鬱屈した思いを抱えるモンスターの兄がいた・・。”グザヴィエ・ドラン25歳の監督作。才能あり過ぎだろう!グザヴィエ・ドラン!】

2021年12月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

怖い

知的

難しい

ー トム(グザヴィエ・ドラン)が恋人ギヨーム(今作では、写真でしか出て来ない)の突然の死に、打ちひしがれつつ、ギヨームの葬儀に出ようと、彼の実家のファームに足を運ぶところから物語は始まる。ー

・ギヨームが母、アガットに自分は同性愛者とは告げておらず、サラという恋人がいた事になっていた事を知った際のトムの驚愕。

・夜、就寝中に、ギヨームの狂気性を帯びた兄、フランシスに”母には本当の事を言うな・・”と脅されるシーンの怖さ。

□フランシスの、自分も旧弊的なファーマー生活を辞めたい思いにより、狂気性を帯びている事が徐々に明らかになる怖さ。

・ギヨームの葬儀で、弔辞を上手く読めず、フランシスに激しく叱責されるトム。容赦ない平手打ち。

・トムは逃げ出そうとするも、”何故か”ファームに留まり、搾乳を手伝ったりしている。
ー 彼が、フランシスの支配下に置かれつつある事が示唆される数々のシーンの描き方の巧さ。-

・且つて、フランシスが近くのバーで、ギヨームの”恋人”に行った狂気的な事が、店の主から告げられるシーン。

<怖い、怖い田舎で生きる閉塞感を抱える亡くなった恋人の兄の狂気性に取り込まれていく男、トムの姿を描いた作品。
 それにしても、25歳にして、今作の監督、脚本、衣装を担当したグザヴィエ・ドランの才能には感服するしかない作品でもある。>

NOBU