劇場公開日 2014年1月18日

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「リセットが利かない怖さを知るエンダー」エンダーのゲーム マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0リセットが利かない怖さを知るエンダー

2014年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

地球を侵攻したのはフォーミックと呼ばれる昆虫型生命体。人口?が多く、急激に武力拡充を整える。
そのことを受け、第二次侵攻が近いと確信する地球防衛軍IFが、少年たちの潜在能力を引き出す戦法を考えつくというのが物語の発端だ。
その戦法はまさにゲーム感覚。無人機を操り、強力な秘密兵器をどこでどう使うかタイミングを測るシミュレーション・ゲームと変わらない。
急激な軍拡と、無人機を使った作戦、どちらもよく耳にする身近な話題を想起させる。

その昔、戦は数が勝負だった。それが武装の差で勝敗が決まるようになり、今や前線にいなくても武力行使ができる時代だ。敵弾が届かないディスプレイの前でコントローラーを操作するだけで、人の死を直接見ることがない。
このまま兵器が発達していけば、人が人の死を感じることなく、欲望のまま世の中を変えてしまう危険性を感じる。
リセットが利かない現実に背を向けようとしている。
「エンダーのゲーム」というタイトルには、そうした危険に目を向けさせようとの思いが込められている。
だが世の中には、過ちを悔いる人間がいるのと同時に、「それがどうした関係ない」と吐き捨てる人間がいるのも現実だ。

マスター@だんだん