劇場公開日 2014年1月31日

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「大ハズレ。文句なしの駄作。」アメリカン・ハッスル bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5大ハズレ。文句なしの駄作。

2014年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

 アカデミー賞に10部門ノミネート、ということで、それなりに期待して、上映に臨みました。しかし、上映開始後30分くらいして、嫌な予感が・・・。これ、もしかして、もの凄く、つまらないんじゃないのか・・・。予感は的中しました。笑わそうとしている演出が悉く空振り。全く、笑えません。薄っぺらい脚本に、緊張感を欠いた演出、全く、魅力のない役者たち。アメリカ人には受けるのかもしれませんが、私は全く駄目でした。使われている1970年代の音楽も疑問符だらけでした。エルトン・ジョンの「グッバイ・イエロー・ブリックロード」が流れましたが、そのときの画面と完全にミスマッチになっていました。ウィングスの「007死ぬのは奴らだ」の音楽に合わせて女優(名前は知りません)が暴れる
場面では、観客をなめているのか、と怒りがこみ上げてきました。
 先に投稿されているレビューを見てみると、一様に絶賛の内容であったので、ひとつくらいこのようなレビューがあってもいいのではないのか、と思い、投稿しました。本当は☆ゼロにしたいのですが、そうもいかず、☆半分にした次第です。
 この映画を観終わったときのつまらなさは、ジョン・トラボルタが主演を務めた「ゲット・ショ-ティ」(監督の名前は忘れました)を観たときのつまらなさに似ています。とにかく、緩いのです。徹頭徹尾、緩みまくっているのです。
 映画を観て、久し振りに腹が立ちました。
 断言してもいいですが、この映画、日本では興行的に大惨敗を喫するでしょう。
尚,この映画では詐欺師のことを、con man(confidence man の略だそうです)と云っていました。詐欺師というと、deceiver か、swindler くらいしか知らなかったので、いい勉強になりました。

bashiba
小積さんのコメント
2016年11月14日

 素晴らしいレビューありがとうございます、bashibaさん。胸のつかえが降りた思いです。実に下らぬ、が、それらしく装うことだけは巧みな、悪質な映画だったとボクも思います。
 いいかげんな演出の一例。FBIの上司(中間管理職)さんの釣りの話もオチなし。実はあれは監督が思いつきで入れた台詞で、オチまで撮ってはいたけど、編集でカットしてしまったもののようです。そういうところからして作る側に作る気がない。
 リアリティに乏しい演技(演出)の一例。クリスチャン・ベールが、初めて会った女の子の気を引こうっていう場面でデブ腹を丸出しにして座っているという設定。こんなに太って役作りしてますよ、と言ってるだけ。
 「それらしく装う」技(わざ)の一例。クリスチャン・ベールのハゲや太りは、いわゆるデニーロ・アプローチなわけですが、そのデニーロ本人をわざとノークレジットで登場させるところ。
 詐欺師を描いているわけですから、映画そのものも詐欺的な手法で制作、公開、さらにはアカデミー賞の受賞の手回しまでやっているのだ、とのプラクティカル・ジョークであったとすれば、もうあっぱれです。

小積