劇場公開日 2014年5月24日

「オーソドックスな話を安心かつ楽しく観ることが出来る作品。」青天の霹靂 Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0オーソドックスな話を安心かつ楽しく観ることが出来る作品。

2014年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

良かった。

劇団ひとり初監督作品。
芸人監督が乱立し産廃が排出され続ける昨今。
それら作品とは一線を画す作品でした。

話自体は非常にオーソドックス。
粗筋から想定されるものに概ね沿う形で新鮮味は薄かったですが。
流れが分かっている話を安心かつ楽しく観ることが出来る配慮、誠実さを感じました。

特筆すべきは役者陣。
特に主役である大泉洋と劇団ひとり。

大泉洋は首尾一貫、何処までいっても大泉洋なのですが。
場面に即した大泉洋が表現されていて良かったです。
現状に拗ねて家庭環境のせいにする駄目な姿。
過去の世界で物事が好転し始め、認められる喜びに身を震わせる姿。
そして終盤の真面目な姿。
39歳の大人が改めて成長し立ち上がる姿が巧く表現されていました。

また劇中の手品場面は実際に大泉洋が行っており。
通常、手許映像などで誤魔化してしまう場面を実際に役者が行っている点は好感を持ちました。
ただ実際に練習してもらった手前、編集でバッサリという訳にいかなかったのか、中盤以降の手品場面が間延びしてテンポが悪くなった点は残念でした。

そして劇団ひとり。
こちらも首尾一貫、何をしても川島省吾。
というか「ウレロ☆」シリーズの川島社長。
現代の人間が夢想する昭和芸人を体現していました。
不器用な優しさや照れ屋な部分が巧く表現されていた点にグッときました。

その他の役者陣も総じて安定しており安心して観ることが出来ました。
登場人物自体を絞った点も話が無駄に煩雑にならず良かった点だと思います。

オーソドックスな話を安心かつ楽しく観ることが出来る本作。
正直、世紀の大傑作という訳ではありませんが監督自身の手腕を示すには十分な作品だったと思います。
芸人監督の初監督作品としては大成功ではと。

オススメです。

コメントする
Opportunity Cost