劇場公開日 2019年11月1日

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「『バーフバリ』の監督によるバカバカしくも本気な野心作」マッキー バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5『バーフバリ』の監督によるバカバカしくも本気な野心作

2020年5月26日
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悪党に殺された主人公が、ハエに転生して、愛する女性を守り、悪党に復讐するために戦いを挑む!

完全にバカ映画のアイデアだが、バカ映画も中途半端には仕上げないのが、インド映画のサービス精神の豊かさ。ハエになるまでの前半戦は、王道のロマンチックコメディとして楽しめるし、後半の復讐戦になると、超ダンディな悪役スディープが(なんでか映画スターのスディープが自分の名前のまま演じている)血まみれになりながら、全力でハエと戦ってくれるのだ。

ハエはもちろんCGなので、撮影現場ではスディープはたったひとりで見えないハエと格闘していることになる。その本気かつ捨て身の演技が、本作の最大の見どころであり、VFXを駆使しながらも、手作り感あふれる愛らしさが全編に漂っているのがいい。

そして本作を大ヒットさせたラージャマウリ監督は、そのエンタメ力を遺憾なく発揮して『バーフバリ』二部作をものにしてしまうわけで、監督力というものを堪能するためにも、『バーフバリ』とセットで観て欲しい快作だと思う。

村山章