劇場公開日 2014年2月22日

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「やだ見オンパレード」東京難民 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5やだ見オンパレード

2019年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

かなりの、やだ見でした。
ホストクラブで稼げるようになったが、
「金がすべてじゃないよねぁ」と仲間の逃亡に協力し、
日雇いに身を落としてからは、
「やっぱりお金なんだよなぁ」と現実を突きつけられ、
ホームレスとして暮らし始めると、
「虫ケラ同等に生きよう」と塞ぎ込み、
ホームレスの恩人の生き様に感銘を受け、
「生きてるだけでもいいのかな」と開き直る。
全てがやだ見でした。

大学生だった自分も、
“無知な全能感”みたいなものがあって、
何も考えずに社会に出たタチでしたが、
一歩間違えばこうなっていたかも。
(未だにその可能性はあるのだろうが)
でもその価値観は時と共に変化していき、
“あの”震災の後でも何とか生きようとする人々に教えられるのは、
リアルな自分に近いものがありました。
だから、やだ見なんだなと。

細かいこと言えば、
治験のバイトでの副作用の事とか触れてないし、
絡んでくる警察がかなり乱暴なんだけど、
ここまで言いがかりつけてくるか?と疑問だったり、
オサムがただ捨てられるのも変だし、
最初の大学の応対もオーバーに酷い。
茜とルリの初対面では、茜は何を見ていたのとか。

勉強になったのは、
借りてたアパートの契約問題とか、
ティッシュ配りのバイトのコツとか、
土工のバイトの事とか、
100パーセント信じるわけではないが、なるほどなと。

ホームレスの鈴本さん、井上順なんだけど、
抜群な演技でした。感動しました。
でも被災した人=ホームレスみたいになっていて、
そこは少し配慮が要るのではないだろうか。

大塚千弘の脱ぎっぷりも含めて、
タイトルからは意外な内容が多くて、(難民なのか?)
割と心に残る映画でした。

ジャケットだけ見て、市原隼人だと思ったら、中村蒼でした。
そこも意外でした。

クリストフ