劇場公開日 2014年6月14日

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「二階堂ふみはすごいけど。」私の男 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5二階堂ふみはすごいけど。

2014年8月13日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

桜庭一樹については、この直木賞受賞作の前に日本推理作家協会賞をとった「赤朽葉家の伝説」というのがあって、そのときに注目していた。
例によって、まだ読んでいないのだが、あれよあれよという間にメジャーな作家になった。

奥尻島の津波がモチーフになっていて、そこでひとりぼっちになってしまった花と、花と出会うことで家族を作ろうとする淳悟の結び付きが物語の骨子である。
花と淳悟のことを、まわりはほっとかない。これが地方ということか。
都会でひっそりと暮らしていたなら、誰もふたりのことは気にかけず、ふたりは思いのまま生きていけたはず。

花は学校でもうまくいっている風、普通に就職し、また上京もして結婚相手も見つける。
この成長していく花を、二階堂ふみが説得力をもって演じている。
現在の若手女優のなかでは群を抜いた演技力である。「渇き。」であの程度の役しか与えなかった中島哲也は非常にもったいないことをしている。

北海道の風景と淳悟、花の荒涼とした生活はシンクロしていて、映画としてはすぐれているのかもしれない。
間違いなく熊切和嘉の力作だと思うが、僕とは合わなかった。

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mg599