劇場公開日 2013年5月18日

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「世界のどこでも見られる学歴偏重の権威主義に対抗する、誠実でユーモア...」きっと、うまくいく supersilentさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5世界のどこでも見られる学歴偏重の権威主義に対抗する、誠実でユーモア...

2020年7月10日
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鑑賞方法:VOD

世界のどこでも見られる学歴偏重の権威主義に対抗する、誠実でユーモアに溢れるいつでもかっこいい主人公たちの愛と友情の物語。こう書くと、ああハリウッド的なお子様ムービーねって思うだろうけど、そこはさすがインド映画。悪役は徹底的に悪く、正義はいつも最後に勝つというのもここまで振り切ると実に爽快。

カースト制度が未だに色濃く残り、多民族、多宗教、多言語の国民事情、著しい経済格差、男女格差が歴然とあるインドは、複雑な現代社会のなかでも類のない複雑性の中に生きている。そんなインドだからこそ複雑性をあえて超越した単純、普遍なテーマを描ききる潔さがあるのだろう。

わかっているのになぜか感動してしまうのは、やはり愛と友情がこの世界で一番尊いものだと誰もが知っているからだけでなく、手に入れるのが一番難しいものだとも知っているからだ。だから、見るものは愛と友情のために生きる彼らの失敗にハラハラし涙する。そのカタルシスを存分に楽しめる良作。

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