劇場公開日 2014年1月25日

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小さいおうちのレビュー・感想・評価

全107件中、81~100件目を表示

4.5ただ淡々と

2014年2月21日
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泣ける

幸せ

出演する役者陣が東京物語とほとんど同じなのは、敢えてなのでしょうか。東京物語が現代の家族の物語とすれば、小さいおうちは昭和初期の家族の物語。
赤い屋根の小さいおうちには、幸せもあったし微かな波風もたった。小さな秘密は女中のタキちゃんの胸の中にしまわれたまま。
戦争が絡むと一気に重くなるところなのに
そう感じさせない。かといって軽んじているところもなく、淡々と描かれているのがかえってジワジワ切なくなった。

タキちゃん役の黒木華さんも、しっかりと淡々と演技されていて良かった。控え目でいて芯のある女中さん、華さんを選んだ山田監督は流石だな。

倍賞千恵子さんと、久石譲さんの音楽が合わさるとどうしてもハウルの動く城になってしまうのは私だけだろうか(笑)

淡々としていてこういう映画は苦手という人もいるだろうけど、エンターテイメントを求めずにじっくり映画を観たい人にはお勧めしたいと思う。

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komutin

3.0貧弱なストーリーを盛り上げた「賠償千恵子」と「松たか子」の演技

2014年2月21日
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鑑賞方法:映画館

単純

第64回ベルリン国際映画祭で、最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した
黒木華(23)の首記映画を観てきました。

第143回直木賞を受賞した中島京子の小説を、
山田洋次が実写化したラブストーリー?です。
1月25日公開ですから、すでに4週経ちますが、
「銀熊賞」の受賞のニュースを先週末に知り、
お恥ずかしながら、あわてて、観に行った次第です。。。。

黒木華の演技は、下手ではありませんが、
日本には優秀な女優が多い事を考えると、とりたてて、騒ぐほどではないと感じました。
たしかに、フジTVのドラマ「リーガルハイ」に出演していた時よりは、
丁寧に演技しておりますが。。。

Bossである奥様に対して、常に忠実にサポートしてきた女中という職業、
時に、Bossに対して意見する芯の強い面も有する女中という職業が
欧米人には、新鮮に感じられただけ?
黒木華を評価したのではなく、女中という職業を評価しただけでは?
と思いました。
ちなみに、「女中」という呼称は、戦前には社会的にも認知されており、
本人もプライドを持っていました。
「お手伝いさん」は、「女中」よりも、馬鹿にされた呼称だそうです。

黒木華の演技よりも、「賠償千恵子」と「松たか子」の演技に感服しました。
(貧弱なストーリーを、大いに盛り上げました。)
本当に、日本には、素晴らしい女優が多いです。(素晴らしい男優は少ないですが)

MK

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Michi

5.0若い人にぜひ見て欲しい。

2014年2月17日
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幸せ

これは本当に素晴らしい作品です。
乏しい知識を絞り出して酷評するような作品ではありません。

この作品は批判する余地がないほど無駄のない、美しい作品です。

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杏女

4.0大人なら誰でもきっと小さいおうちを持っている

2014年2月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

そう、大人なら誰でもどこかに小さいおうちを持っている。
そんな風に思った。

山田洋次にしてはえらくつやっぽい話を監督したものだと思った。
そしてこのつやっぽさは、監督がこだわったところのフィルムでしか出ない感覚ではないかと思う。

本題に戻るとどんな人でも心の中に小さいおうちを持っているのではないだろうか。
それは、実際に家の場合もあるかもしれない。
何か別の出来事だったり、モノだったりするのかもしれない。
それでもあのときのあの瞬間を詰め込んだ何かについてふと思い出す。それは、棘のように残っているものではないかと思った。

しかしもうじき齢80にも至ろうとする山田洋次のこの作品は正直びびる。
老いらくの恋という言葉が似合っているようにも思うし、おいているからこそ、感覚だけが研ぎ澄まされてしまったという感じがしないでもない。

ただ2点惜しいところをあげるなら、妻吹木聡(?字がわからない)はどう見たって大学生には見えない。
あと、久石譲の音楽は果たしてこれでよかったのかという疑問。

かぐや姫に比べるとどうしても映像に一番似つかわしい音楽だったのかわからない。
その二つの点を差し引いた。

しかし、差し引いても名作。すばらしかった。

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lotis1040

4.0女中 黒木華

2014年2月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

僕は好きです。
この映画。

まあ、小説の方が好きですが。
映画は女中黒木華のためにあるようなものですね。

なんか、所作が本当に女中さんなんです。
まあ、本物の女中さんを見たことがないんですが、ほかの俳優と比べるとはくがある感じで。
もう一回見たいな。

小説のほうが世界が深いですけど。

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冬人

3.0期待してみて

2014年2月11日
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幸せ

萌える

みんなのレビュー見て超期待してましたが、自分的には普通でした…すみません…役者陣の演技力はさすがでしたが、それは想定の範囲内でした。

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adamak

4.0昭和な感じ。

2014年2月9日
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泣ける

ひょっとすると、山田洋次という映画作家は、脚色において本領を発揮する人なのかもしれない。彼の作品群のなかで異彩をはなっていると思っている時代劇の3部作は藤沢周平の原作。本作も中島京子の原作である。

タキちゃん(黒木華)が奉公することになった赤い瓦屋根の小さいおうちは、おもちゃ会社の専務平井の家であった。旦那さま(片岡孝太郎)の会社のデザイナー板倉(吉岡秀隆)が平井家に現れてから、時子奥様(松たか子)は浮き立つようになる。

戦時という背景と、松、片岡というノーブルなキャストがあいまって、雰囲気のある映像に仕上がった。

出征する板倉に会いに行こうとした時子を止めるタキちゃんの苦悩は、わかりやすい語りがあるものの、庭先から玄関に移動するタキちゃんをワンカットでとらえた演出によく表われていた。

現代劇を撮るのはもうつらいかなと思っていた山田洋次だが、時代を限定するとまだまだいけそうである。
「東京家族」のキャストが勢ぞろいで、吉岡秀隆と中嶋朋子が同じ作品に出るのはあれ以来のはずで、次回作ではこのふたりのからみも観てみたい。

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mg599

4.0昭和のいい時代のお話

2014年2月9日
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泣ける

幸せ

萌える

松たか子と妻夫木君の演技が素晴らしい。家族にもいろいろなことがあるんだなあ、って感じ。スケールは小さいが長さを感じさせなかった。東京家族とだぶる印象だった。

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konkon

4.0観た後で余韻に浸る我・・・。

2014年2月9日
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泣ける

悲しい

知的

同時期に上映されている「永遠の0」と
にた構成と同時期のお話。
ちょっとした罪や下世話な話題をそう
見えないように作り上げた手腕は見事。
登場人物を、演じた役者も素晴らしい。
真面目すぎる人生を生きたタキさんの
後悔が「私は長く生きすぎた」という
セリフに込められている。
心にチクリと刺さる秘密のお話です。
みた後の余韻に浸ります。
人生に耐え忍ぶ、辛い思いをしている
人には共感を呼ぶ作品かもしれません。

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としぱぱ

4.0顔の表情、手の表情、そして佇まいが非常に良かった。

2014年2月2日
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楽しい

幸せ

布宮タキを演じる黒木華。
平井時子を演じる松たか子。
この二人の演技が非常に良かった。

女性がより控えめな、この時代。
東北から奉公で出てきている布宮タキは大人しい性格の上、御国訛りを隠そうとする気持ちも加わり言葉少な目。
ですが、彼女の顔の、手の表情、佇まいが醸し出す雰囲気で全てを表現しており、言葉が無くとも気持ちが伝わります。
黒木華が好きなので若干贔屓目で観ている点は否めませんが、それにしても凄かった。

またモダンな考えを持つ平井時子も妻の顔、母の顔、女の顔が上手く出ており、松たか子という女優の凄さを感じた作品でもありました。
時に妻の顔と女の顔が混在している所の表情も良かったです。

あと本作で特筆すべきは、黒木華と松たか子の手の表情。
言いたいことはあるのだが言えない状況で手の動きや所作で想いを表現する。
口に出す言葉と手の動きが必ずしも一致しない、ということが当たり前なのですが新鮮でした。

周りを固める役者陣も安定的で安心して観ることが出来ました。
板倉正治を演じる吉岡秀隆も映画「ALWAYS 三丁目の夕日」での過剰で雑な演技はなく、やはり監督次第なんだなぁなんて思ったりもしました。

惜しむらくは現代篇のユキを演じる木村文乃。
周りの安定感も相まって彼女だけが浮いていました。
というか極端に下手で不自然に見えてしまったのが残念でした。

あと作品とは直接関係ないですが劇場内の予告編。
作品の或る重要なシーンをある程度の尺をとって流しているのですが…あれは流しちゃ駄目でしょうよ。
確かに作品の凄さは伝わるのですが、それと引き換えに失ったものが大きすぎる。
あのシーンは作中で初めて観たかった。。

兎にも角にも黒木華と松たか子が素晴らしい本作。
劇場内のマナーが極端に悪い年寄連中に我慢出来るのであれば、非常にオススメです。
(個人的な印象ですが最近劇場内の年寄のマナーの悪さが目に余ります)

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Opportunity Cost

3.5松たか子にぴったり

2014年2月2日
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幸せ

ああもうちょっと早ければおばあちゃんは板倉さんに会えたのにぃと。ほっこりとてもいい映画でした。また妻夫木くん観ちゃった

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annie

3.5小さなおうちの秘密

2014年1月31日
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萌える

なんの打算もなく一途に平井家に尽くす純朴なタキ。初めて黒木華という女優がよく見えた。顔立ちもこの役と時代に合っている。
晩年のタキを演じた倍賞千恵子が、身近にいそうなお婆ちゃんの姿を醸し出し、若き日のタキのイメージを引き上げていることも確かだが、この作品の黒木華は上手い。

そして松たか子。これまでの作品でも見てきたが、異性を意識したときの色気を滲ませた顔の変化や仕草は素晴らしいの一言に尽きる。今回は、バイセクシャルな含みも窺わせる奔放さで純朴なタキを狼狽させる。

時代は支那事変から太平洋戦争へと向かっていくが、当時を生きたタキの経験を、聞きかじりの知識しかない若者・健史が頭ごなしに否定する場面が印象深い。皆がみな、平井家やタキらのように恵まれてはいなかったにしても、健史のように過去を一律に見ている若者の存在に少しびっくりした。

小さな家の普通の家族にも、その人らだけの歴史がある。それをじっと見続けてきたタキの一生もまた彼女だけの歴史なのだ。
小さなおうちには小さな歴史が詰まっている。

子供の頃に見かけた懐かしい小道具や家事の光景が懐かしい。

最後の手紙は、見つけただけでも話が完結するが、その後まで描いたラストの処理は微妙。タキを想う健史の心にもらい泣きもするが、間延びしてしまった感も拭えない。

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マスター@だんだん

5.0山田洋次版「家政婦は見た」

2014年1月31日
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泣ける

悲しい

萌える

戦争直前、そして戦時中と言った激動の時代を舞台にした作品なのに、描かれていたのは一つの家庭の物凄く淡々とした出来事でしたので、普通ならちょっと退屈してもおかしくない内容だったと思うのですが、それをここまで退屈せずしかも物凄く感情移入出来る作品に仕上げてしまうとは・・・いやはや恐れ入りました。

それにしても、妻夫木聡が演じた健史じゃないですが、戦時中ってもっと暗々とした暮らしをしていたのかと思っていましたが、全部が全部そう言う訳ではなく、楽しいことも一杯あったり、戦争よりも身近な問題の方がもっと切実だったり、まあ時代が許さなかったことも多々あったようですが、基本的には「生きる」ことって今と同じだったんですね。
勿論この映画で描かれた平井家は間違いなくこの時代では富裕層に位置する家族だったと思うので、一般的ではなかったと思いますが、それを嫌味なく描いた山田監督はさすがの一言としか言い様がないですね。

ちなみに予告編で気になっていた奥様ご乱心のシーンでは、ここでも健史同様に三角関係?なんて貧しい発想に至りそうになりましたが、細かい伏線を考えればなるほどタキちゃんには「強いある想い」があったのかなんて読み取れたり、現代のタキばあちゃんの涙の意味も含めて、まあとにかく見終わって物凄くいい余韻が残る映画だったなと、満足感で一杯になりました。

まあでも私がこの映画を良かったと思えた最大の要因は、何と言ってもタキを演じた黒木華の存在感に他ならないですね。
松たか子が演じた時子の凛とした品のある美しさも勿論印象深かったですが、黒木華の田舎臭さと献身さ、これぞザ・昭和の愛すべき女な感じで、思いっきりツボに嵌ってしまいました!

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ヴァル

2.0ちょっと期待外れ

2014年1月31日
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単純

山田洋次監督作品・・・なのに、「東京物語」の製作が終わったら、そのまま俳優を残して撮った感じで、主役どころ以外は全員「東京物語」の俳優で周りを固めてしまって、それぞれのキャラクターが被ってしまって、さぁ大変。橋詰と吉行はまた夫婦、夏川と妻夫木はまた姉弟、吉岡は「オルウェイズ」のキャラそのまま・・・。
片岡は舞台役者の発声そのまま・・・。
林家のダイコンぶりも、東京物語、そのまま・・・。
せっかくの原作がダイナシになってしまっている。
ただ、松と黒木の演技で二つ星止まり。

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映画大好き

4.0しんみり

2014年1月30日
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泣ける

山田洋次監督ならではの豪華キャスト。映画館で観て大正解でした。しんみり心和む作品でした。これは…作品賞、監督賞等々ノミネートされるでしょう!

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ATOM

3.5切ないですね・・・

2014年1月30日
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泣ける

悲しい

キャストも豪華で 昭和の雰囲気を見事に再現して 絵はとっても良かったのですが・・・

2時間強と言う枠のなかでの 小さいおうちを描くのは難しかったのでしょうか?

様々な登場人物が描ききれておらず、ところどころ 感動的なセリフはあるのですが、それが私の心に届かず残念です
役者さん みなさんの演技はそれは それは 素晴らしいのですが・・

これは テレビドラマで観てみたいです。
そうすれば それぞれの登場人物ももっと 時間をかけて 描けるだろうし、そうすれば 私も小さいおうちワールドに入っていけるかもしれません。

この映画は 女中タキの秘密の物語です
そこは 本当にせつなくて 苦しくて タキの胸中を思うと本当につらいです。この タキの秘密だけはこのシーンだけは 胸 打たれました。
この秘密のため 彼女は生涯 苦しんだことでしょう。
戦争がなかったら・・・これほど 苦しまなかったかもしれません

お話は面白かったので 人の描き方が足りなかったのが残念です

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ともちん

3.0昭和の雰囲気を味わう映画

2014年1月30日
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知的

ストーリー自体はいたって地味。
だけど映画の要である、松たか子のいかにも世間知らずといった感じの純真な奥様と、黒木華の純朴な女中とのやり取りが、幸福感のある穏やかな雰囲気があって良い。

また昭和時代のパートの主要な登場人物達に汚れを感じさせない純真さがある。 不倫の具体的なシーンが無いのに、不安定になっていく戦中の情勢と相まって、逆に不倫というもののイヤらしさ、不安感を感じさせる辺りが秀逸。
中盤のいけないことをしているという所からくるこの奥様の絶妙な色気を、佇まいから感じさせる松たか子の貫禄はさすが実力派。

雰囲気で見せるなんとも洒落た映画だった。

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タッカー

4.0永遠の0の時代の市井の物語

2014年1月29日
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泣ける

知的

萌える

誰も憎む人いない映画、戦争の時代を生きた市井の人の小さいうちに起る事件、ありうる話で松たか子の美しさとお手伝いのたきが光る。黒木華さんは初めて見ましたが実力のある女優さんです。あの時代の空気感や建物など上手く描かれていて自然体で見られる映画です。最後の年取った倍賞千恵子さんが隠していた秘密を孫の妻夫木さんが探すシーンは永遠の0と類似してますが、あの時代にはよくある話なのでしょう。

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未散

3.5なかなかいい。

2014年1月29日
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泣ける

悲しい

幸せ

昨年東京家族を鑑賞して良かったので今回も観に行きました。本当にキャストが東京家族とほぼ同じで不思議な感じでした。
眠くなりそうな内容かな?つと思ってたのですがストーリーがしっかりしていたのか気がつくとハマってしまいました。
後半は涙が出てきていろいろと考えちゃいましたね。
山田洋次監督の作品ということもあって年齢層が高めでしたが年齢層は幅広くいける内容。ぜひ若者にも見てもらいたいです。

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nomanoma

3.0あの「言葉」。

2014年1月29日
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悲しい

怖い

幸せ

山田監督の「東京家族」に引き続きの作品。

先日、この映画の公開にからめて「東京家族」がTVにて放送されており、改めての感動を頂いたため期待を込めて映画館に足を運びました。

戦争への足音が大きくなる昭和初期の物語であります。

私自身、戦争を知らない世代であり主人公である「タキ」の親類である「健史」同様に教科書的な史実に基ずく時代しか見えてきません。(もちろんその当時をモチーフにした「映像」や「書籍」視点での知識はありますが)

この映画は題名にあるように「小さないえ」に住む家族を中心に物語は進んでいきます。

全体的に、小津映画的にトーンを抑え気味な印象をうけました。それでも「主人公」の悲しみが伝わってきます。
現在(平成)の「タキ」がテーブルに突っ伏して吐くあの言葉・・・彼女の人生の集約なのでしょうか?

実は私自身は、イマイチこの物語に引き込まれませんでした。
構成上?あまりにも沢山の登場人物とそれぞれの思惑が交差し、フォーカスすべきモノと観客側の身の置き所の居心地の悪さが原因のような気がしました。特に女中としての「タキ」の心情をもっと丁寧に深く描いていれば・・・。感情移入ができたのではとも思いました。

ネタばれになりたくないので、深くは書きませんが直接的な表現で「タキ」の心情を慮るのは先ほど記したあの言葉だけだったような気がします。

きっと監督的には、あえてそこはそうしました。という事なのかわかりませんが、個人的には消化不良でした。

前作の「東京家族」のように「言葉」や「しぐさ」でグッとくる作品もあれば、この作品のようにより抑え気味なトーンの作品もあるという事でしょうかね。

また、私自身がこの作品にイマイチ引き込まれなかったのは、戦争への足音が聞こえるこの時期で中心となる「小さないえ」の家族や取り巻く人々がある意味その時期の「富裕層」であり、庶民の生活からは一段上の生活を送っている人たちであり、この時代を描く作品としては稀であったように思いました。やはり庶民感覚ではないので「よくある庶民」(例えばNHK「ごちそうさま」的な?)のギャップも大きなファクターであったとも思いました。きっと私自身がこの時代を描くならこうでなくっちゃみたいな固まった意識があるんでしょうね。

俳優陣は正に現代の「山田組」オールスターで、演技は楽しめましたよ。
個人的には、木村文乃さんをもっと見たかったのですが、さすがは黒木華さん♪本当に良かったです。このキャスティングは大当たりです。

正にそこに「タキ」を見ました。

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SALTY