劇場公開日 2013年10月26日

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「気持ち悪い」劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語 レモ子オレオさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5気持ち悪い

2013年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

見てから言うのも卑怯ですが、矛盾だらけの予告を見た時から、正直嫌な予感はしていました。
キャストの斎藤千和さんの「賛否両論になると思う」というコメントが、不安に拍車をかけました。

しかしまさか、つまらないどころではなく、こんなに気持ち悪い映画になるなんて、思ってもいませんでした。

本当に、今年見た映画の中で一番気持ち悪いです。
精神的には『ムカデ人間』並みに気持ち悪かったです。
連結少女むかで☆マギカです。

……それくらい僕は今、ショックを受けています。
何が気持ち悪かったかと言うと、もう、全部です。

【アバンが気持ち悪い】
ほむらを除く4人の、ナイトメア退治から始まる冒頭。
さやかがいる。お菓子の魔女がいる。
この時点で何かおかしい、パラレルワールドか何かだと分かる冒頭、それはいいです。引きこまれますし。
でもあの楽しげな倒し方は、やはり異様で、しょっぱなから不安になりました。
僕の知ってる『魔法少女まどか☆マギカ』は見れないんじゃないか、と。

【オープニングが気持ち悪い】
クラリスの明るめのポップソングに対して、映像の不気味さ、
落胆するほむらを尻目に、らしくないダンスをする4人。
[前編][後編]の時のオープニングは本当に感動しました。
だから新編も楽しみにしていたのに、なんですかあれは。
暗雲が立ち込ました。

【先生が気持ち悪い】
ただでさえ可哀想だった先生が、さらに可哀想な人になっています。
信仰宗教ネタは必要だったのでしょうか。
笑えないネタキャラ化。しかも出番はそれだけです。

【変身シーンが気持ち悪い】
5人立て続けの変身は、TVシリーズなどではなかった展開、見所です。
だのになんでしょう、間を持たすためにただ色々動かしたような、スタイリッシュさに欠ける変身シーン。
ところどころ割って入る魔女らしさ。どこか狂気じみています。
そういう演出だとしても、楽しみにしてたシーンの出来栄えに落胆しました。
その前後の掛け合いはネタ的要素が感じられましたが、変身シーン自体はネタにもなっていないようでした。

【ベベが気持ち悪い】
お菓子の魔女と言えば、マミさん好きからしたら、ハッピーツリーツリーフレンズの全斬殺方法を試みたいくらいのにっくきケダモノです。
だのに普通にマスコット的にまとわりついています。
いくら愛きょうを振りまこうが、実に気持ち悪かったです。

【イヌカレー演出が気持ち悪い】
あれが好きな方には申し訳ないですが、いつにもまして気持ち悪かったです。
いや、TVシリーズの時は僕も嫌いではなかったんですよ。
しかし新編では、バスあたりからなる中盤以降がくどすぎました。
偽街まるごと魔女の結界だったわけですから、多用するのは仕方ないと言えばそれまでですが、
長々と暗いストーリーと組み合わさると、ちょっとした精神ブラクラのようでした。

【豹変したほむら・結末が気持ち悪い】
一番気持ち悪かったのはこれです。
断わっておくと、僕はほむらが大好きです、キャラクターとして。
[後編]の結末、まどかがいない世界でも守っていく、生きていけると強い意志を見せてくれた彼女に、心から感動しました。

なのにあの壊れっぷりは何ですか、この作品自体がナイトメアだったんですか?
あれはキャラだけでなく、前作自体の否定に他なりません。
だからこそ評価してる人もいるようですが、それって本当にすごいことでしょうか?喜べるんでしょうか?
僕はただただショックでした。

【エンドロールが気持ち悪い】
曲は素敵です。
でも、明らかなバッドエンドなのに、なんて愉快な曲を流すんだろう、と思いました。
ミスマッチっぷりが気持ち悪かったんです。

結論を言うと、僕にとって本作は、“見たかった映画とは違う”ではなく、“見たくなかった映画”なんです。

本作を公式として、正当な続編として受け入れられる心を僕は持ち合わせていません。
『ターミネーター3』みたくなかったことにならないでしょうか。

こんなことになるなら作ってもらわない方がよかった。

そもそも暗さとか分かりにくさとか抜きにしても、面白い映画だとは思えません。

すごい映画だとも思いません。

もっと言うと、ファンのために作った映画だとも思えませんでした。

最後に、本作のあまりの蛇足っぷりに敬意を表して、僕も蛇足な悪口を言います。

「監督」「総監督」ってなんですか。

「監督補佐」「監督」とかじゃ駄目なんですか。かっこつけやがって。

レモ子オレオ