劇場公開日 2013年8月24日

「このガッカリ感が分かるか、製作者ども」ガッチャマン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0このガッカリ感が分かるか、製作者ども

2013年8月29日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

タツノコプロの名作アニメを実写映画化。話題作である。

某映画サイトでは稀に見る低評価。
それでかえって見てみたくなってしまい、観に行った訳だけど…

まあ残念な出来である。
予告編って本当にいいとこ取り。

アクションやCGは日本映画にしては頑張っていた方だろう。
そもそも、ハリウッドとはレベルが違うんだから、比べるのが気の毒。
今夏のハリウッド超大作と同時期公開なのは悪意すら感じるが…。

アクションやCGで残念なのは、全くオリジナリティを感じられない事。
冒頭、白昼の街中での戦いなんて、まんま「アベンジャーズ」。回転車輪は「バトルシップ」。

だけどもっと残念なのは、より根本的な点、既に多くの方が指摘している通り、演出・脚本・演技だ。
自分自身の存在に葛藤する姿は「ダークナイト」、恋に悩む姿は「スパイダーマン」…演出も脚本もまるっきりアメコミ映画の真似事で、オリジナルへの愛や敬意が微塵もない。
この映画の企画がきっと、日本でアメコミみたいな映画を作ろう、だったのだろう。だったら、「ガッチャマン」でなくとも成り立つ話である。
お陰でどの年代にアピールしたかったのかあやふや。

ツッコミ所満載、ご都合主義、粗ばかり目立つストーリーは敢えて触れまい。挙げ出したらキリがない。

旬な俳優が揃った訳だけど、本当に旬だから集められたような面々。製作側の、これだけ豪華共演ならヒット間違いナシ!…という魂胆が見え見え。
頭ガチガチな健=松坂桃李もキザなジョー=綾野剛も魅力薄だが、酷いのはジュン=ゴーリキ。演技がTV…いや、CMレベル。それでも、来年度の日本アカデミー賞の新人賞はゲット!(皮肉です)

そんな面々が揃ったのだから、世界を守る戦いなのにまるで緊迫感が無い。
何、あの、戦い終わってのおちゃらけた恋バナは?
健もジョーも昔の女に未練タラタラ、ジュンは健に片思い。ここは高校の教室か!
ヒーロー映画なので、一応世界は救った形だが、私欲で行動、任務と恋愛を混同、健のヒーローらしかぬアブナイ台詞も含め、こいつらに世界を守って欲しくない。

そうそう、一番気になってたベルク・カッツェ役は一捻り。
見ていたら誰がカッツェか予想ついたけど、いざ登場したらまあまあ様になってた。

同時上映の「おはよう忍者隊〜」は面白かった。
劇場版でも変わらぬ下らない話にププッ(笑)

それから…続編製作は止めなさい!

近大