劇場公開日 2013年6月14日

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「ルーカス少年の成長物語」インポッシブル マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ルーカス少年の成長物語

2013年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

2004年12月26日のスマトラ島沖地震による大津波で離散した家族を描く。

タイのリゾート地ではスマトラの地震を知らなかったのか、たくさんの人がビーチで遊ぶ。津波の警報もない。そこに突如として轟音とともに大津波が襲う。3.11を思い出して嫌だが、水の力がもつ恐ろしさを改めて感じる。

映画は、たまたまバカンスでこの地を訪れていた5人家族を描く。実話に沿っているそうだが、全員が無事だったのか予備知識を持たずに観た。そのため、けっこうハラハラする場面が多い。

母親を演じるナオミ・ワッツが痛々しさを出して巧いが、
全篇を通して中心的存在になるのは長男のルーカスだ。演じたのはトム・ホランド。初めて見る顔だが、極限の中、人に感謝される喜びを知り、人のために尽くすことの大切さを学んで成長していく少年を気張らずに表現している。物語が進むにつれて、逞しく、そして人の痛みを知る優しさを身に着けていく。さすがのユアン・マクレガーも主演男優の座を譲らざるを得ない。

そして、助かる家族、再会が叶わぬ家族、明暗を分けたラストが切ない。
だが、特定の保険会社がしゃしゃり出て厭らしい。せっかく家族の強い絆を描いたところに水を差す。

災害は突如として起こり、日常の何もかもを奪っていく。
人は幾度と災害を乗り越えるたび、強く賢くなってきたのだと思う。犠牲者のためにも、新たな町づくりや原発運用等を含めて、さらに強く賢くならなければいけない。

p.s.1 タイトル(「不可能」)と最初のチラシのデザインからは、どういう内容の映画なのかまったく掴めなかった。

p.s.2 タイではこの「大きな波」をきっかけに「津波」の呼称を用いるようになったそうだ。(現地の発音では「スナーミ」らしい)

マスター@だんだん