劇場公開日 2013年1月12日

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「自分自身との戦い」LOOPER ルーパー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分自身との戦い

2013年1月14日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

未来から送られてくる標的を始末する処刑人“ルーパー”。
腕利きのルーパー、ジョーの前に今日も一人の男が送られてくるが、その男は30年後の自分。ある目的の為に過去にやって来た。
一瞬の不意を突かれ始末し損ねたジョーは組織から狙われるハメに。
現在と未来、自分と自分の戦いの行方は…!?

スタイリッシュ&クールなSFアクションの快作!
タイムトラベルと言うと、未来に行くか過去に戻るかがパターンだが、現在の自分と未来の自分が戦うという奇抜な設定が面白い。
練られたストーリーにグイグイ引き込まれる。
現在と未来のジョーを、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスがそれぞれ熱演。
特にブルースになりきったジョゼフが素晴らしい。ブルース、こういう話し方やちょっとした仕草、するする!(笑)
物語に大きく関わってくる坊や、シド君の達者な演技に舌を巻く。

とにかくこの映画、語り出すとネタバレになってしまう恐れがあるので深くは語れない。
でも一つ言えるとすれば、本当の意味で“自分自身との戦い”。
少し物語の核心に触れるが…
現在のジョーは、30年後の自分とは言え標的を仕留め損ねた→その為、組織に自分が消される→なので、30年後の自分が何を言おうとも何が何でも始末したい…。
30年後のジョーは、自分を救ってくれた愛する妻がいたが、殺された→その元凶は“レインメーカー”と呼ばれる謎の独裁者→運命を変える為、妻を救う為、今の内にレインメーカーを始末したい…。
それぞれの言い分には一理あるが、自己欲が強い印象も受けた。
そしてその自己欲が、未来に多大な影響を及ぼす事になるとしたら…?
自分の為か、運命の為か、未来の為か。
自分vs自分、それは即ち、究極の判断と選択、ループからの脱出。

知的で刺激に満ちたテーマを興奮というアクションで包んだ見事なエンターテイメント!
ドンパチドンパチただ派手なだけじゃないこういうアクションを見たかった!と思わせてくれる。
面白かった!

近大