人生の特等席のレビュー・感想・評価
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自分のことのよう
ミッキーをみていると、まるで自分のことのように思えてくる。うむ。
もう父親は若くないし、仕事もスポーツ関係だし、娘に興味ない感じだし、っていうのでね。
でも最近は車の免許のおかけで、少し話すようになったきもする。
今を大切にしやきゃね。。。!
親子愛・無名の青年のシンデレラストーリー・大団円…だけど監督デビュー作で置きに行った感が…。
よかった!!(○´∀`○)だけど、イーストウッドの一番弟子ってことでどうしても色眼鏡であら探しをしたくなる。んで、粗探しし出すと、最後のキスシーンとか普通すぎないか?(´・ω・`)とか思った。割とベタなせっていじゃないか?とかね。ストーリーは直球だった。変化球がもう少しほしかった。
正直、映画は“特等席”ではなく“普通席”だが、全体的に好感
クリント・イーストウッド。
映画界の“生き神様”である。
そんな彼の「グラン・トリノ」以来の俳優復帰作。
しかも、自分の監督作以外への出演で、久々に俳優業一本のイーストウッドが見れる。
ガスはメジャーリーグの大ベテランのスカウトマンだったが、視力の衰えでキャリア継続の危機。そんな彼を心配し、疎遠だった弁護士の娘ミッキーが父の仕事を手伝う事に…。
話も作風もオーソドックス。
メジャーリーグのスカウト界を題材に、父と娘のぎこちない関係とその修復を温かく綴る。
スカウトの専門的な話も分かり易く、好感。
本作の最大の見所は何と言っても、“俳優イーストウッド”。いぶし銀の魅力を発揮し、老いても尚輝き続ける。
でも、そこが本作の長所でもあり欠点。
主演がイーストウッドでなかったら…? よくある当たり障りのない父娘ドラマになっていたのではないだろうか。
また、「ミリオンダラー・ベイビー」や「グラン・トリノ」のような深遠なドラマを期待すると肩透かしを食らい、役柄も「グラン・トリノ」の役柄と変わり映えしないのも減点。
まるでイーストウッドの一人舞台のようだが、この映画の本当の主役は娘のミッキーなのではないかと思う。
男勝りで偏屈な父にもズケズケ物を言う。幼い頃父に捨てられたとわだかまりを感じつつも、父の才能をしっかり受け継ぎ、最後にその才能を十二分に発揮する。
頑固な性格も野球バカな所もそっくり。似た者同士なのだ。
エイミー・アダムスがイーストウッドを相手に一歩も退けを取らず、さすがに巧い。
作品はイーストウッド演じるガスのようにオールド・タイプながら、口当たり良く、後味爽やか。イイ気持ちで見終わる事が出来る。
そしてやっぱり、イーストウッドの次の俳優カムバックを期待してしまうのだ。
こう言う映画が好きなんだよなぁ
機内で観ました。
上映時に行きたかったものの、事情により観れず、こんなタイミングで観れると思っていなかったので、非常にうれしい。
こう言う、人と人との関係を描いた、昔ながらのストーリーが好きなんです。
少々先が読める場合もありますが、それはそれ、そこも含めて好き。
別にストーリーの奇抜さや、驚く映像が必要な映画ばかりじゃないんだ。
これで充分心に入ってくる、素晴らしい映画だと思う。
それにしてもイーストウッド爺さんは、どの役でも一癖も二癖もある偏屈役が合うねぇ。
それぞれ状況は違うんだが、どれもこれも愛すべき偏屈爺さん。
まだまだ彼の映画が観たいです。
イーストウッド爺さんが出ていなかったら、恐らく私はこの映画に出会えなかっただろうし。
出来れば、監督権主役でやって欲しいですね。
渋い演技が光る
マネーボールに象徴されるデータ野球が主流の中、時代に流されるベテランスカウトを中心に据える所が素晴らしい。展開は読める感じはあったが、それでもイーストウッドをはじめ役者陣の渋い演技が光る。退屈せず、鑑賞後は満足感。
監督より役者のイーストウッドが好きな自分はこの作品が最後になるのが残念。
幸せについてじっくり考えよう
『マネーボール』とは対をなすこの映画。
『マネーボール』で首を切られてた古い考えのスカウトが主人公です。
時代はコンピューターでのデータ処理に移り、古い考えは捨てられていく。
こちらは人生ドラマであり、『マネーボール』は立身出世物語である、とはいえ
一年前後で全く違う趣旨の映画が出たのは何か深い意味がありそう。
いや、分析できませんけど。
人生の苦悩とはどこからどこへ流れていくのだろう。
親の思い、子の思い、様々あって、時間は過ぎていったけど
まだ遅くありません。
まだ生きているうちなら間に合う。
昔ながらのストーリーながら
映画ファンとしては
ストーリーはよくあるパターンで、単調ではあるが楽しめる。
父親と娘のホームドラマとして観れば人によってはウルッと来たり、そしてハッピーな気持ちになれるかも。
クリント・イーストウッドファンとしては
「ローハイド」からマカロニウェスタンを経由して監督・出演した「グラン・トリノ」や「マディソン郡の橋」で確固たる地位を築いたのに、何故いまさらこの作品に出演したのか意味不明。
名作「12人の怒れる男」を制作・主演したけど、遺作「黄昏」On Golden Pondで晩節を穢したヘンリー・フォンダのようにはなって欲しくないなぁ。
MLBファンとしては
やっとナショナル・リーグのチームを取り上げてくれて嬉しい。
「くたばれヤンキース」以来「エイトメンアウト」、「メジャー・リーグ」、「マネー・ボール」全部アメリカン・リーグ。
でもミッキー・マントルが好きだってやっぱりア・リーグかよ!
アトランタ・ブレーブスが舞台ならアルバート・プーホールズの再来じゃなくてハンク・アーロンとこなくちゃ嘘でしょ。
ディテールがお粗末。
単にアメリカ人男性は野球が好きだということを言いたかっただけに使われた小道具だったのかな。
愛すべき偏屈親父!
実際はそうではないと言われているが、クリント・イーストウッドの近頃のキャラは、本当に嫌な老人役。楽しげに演じていた。今回の内容は想定内の展開で、驚きはないが爽快感を持って観ることができた。アナログ親父、パソコン拒否いいじゃないの。「マネーボール」のデータ重視の野球もありかもしれないが、この作品のように足で稼ぎ、眼と耳で確認する方が、私は好きだな。データだけじゃ、その選手の性格とか、気持ちまでは読めないと思うしね。原題は何なんだろうって思っていたら、「カーブに難あり」だった。邦題はなかなか工夫しているね。最初の馬のシーンは配給会社のロゴかと思っていたらそうではなかった。後から理由がわかった。自分と父親との関係も思い起こされた。ちゃんと向き合っているかな? あまり自信はない。最近の作品は展開が早くてついて行くのが大変なのも多いけど、こういう作品に出会えるとホッとするな。安心して観ていられた。
100歳まで監督やってくれ
口も態度も悪いけど家族思いの頑固親父。「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」から続く主役のイメージ。今作は「ミリオンダラー・ベイビー」で娘と和解できないでいる親父の後日談か?「ミリオンダラー・ベイビー」の父娘関係はもっと深刻そうだけど。父は娘を思い、娘は父を思いつつも、すれちがい。そのすれちがいの原因と和解を語ってしまうことにより深みがなくなる。それに比べスカウト部分はおもしろい。スカウトの結果を確認するには、スカウト選手が成功するか否か、少なくても数年かかる。ところが、映画では短時間に結果がでるのだ。それも大ドンデンデン。そこが映画のいいところ。
最高でした
今年映画館で見たなかで一番面白かった気がします。最高でした。ひとつひとつ、凄いリアルに自然に描かれていて凄いなって思いました。会話ひとつひとつも凄い笑わせてもらいました。これこそ映画館で見るべき作品です。
師匠イーストウッドの手を完全に離れた時どうなるか?
単純にスカウトマンとしての力量を問われる話で、経験豊富なスカウトマン、ガスをクリント・イーストウッドが演じる。この人が出てきたら、この役を他の俳優では考えられない。ここまで面白くはならないだろう。
娘役のエイミー・アダムスもいい。父親そっくりで意地っ張りで鼻っ柱が強いミッキーにぴったりだ。
どうやらこの父娘、長いことうまくいっていないらしいと分かるオープニングから、デキすぎのラストまで物語自体はまさにストレート一球勝負だ。これを星飛雄馬と花形の勝負を延々と引っ張るがごとく見せ場を作ってみせるイーストウッドとエイミーには喝采を送るしかない。
ガスが墓の前に腰を下ろし、亡き妻に語りかける“ユー・アー・マイ・サンシャイン”の歌詞。
ミッキーが同じ曲を恋人に歌って聞かせる。互いに反発し合いながらも、父娘の強い絆が伝わってくる。
この辺りは、長年イーストウッドの下でやってきたというロバート・ローレンツが、初監督ながら師匠の作品と同じようなカラーを打ち出している。
ただ、師匠のように人間ドラマでも何か事件性を匂わせるようなカットを挟んで遊ぶ余裕はまだ無さそうだ。もっとも、これは往年のアウトローのイメージが定着したイーストウッドだからこそ、観客に〈もしや?〉という疑念を抱かせられる芸当なのだが。そのため事件性を話の核に直接盛り込んでいる。
イーストウッドの出演なしでどこまで師匠に迫れるか、今後が楽しみではある。
ガスとミッキー父娘の真価が問われるラストは、そこに至る伏線があるのでお見逃しなく。
MLBファンには楽しそうなクイズの応酬もある。
気分爽快!
拍手1回、ガッツポーズ2回。
それくらい、痛快なお話でした。イエーイ!
野球が好きな男性なら、もっと楽しめるかもしれません。
また女性なら、お父さんを誘って行ってほしいな。
イーストウッド、御年82歳。本当いい味出してます。
彼が前面に出てばかりでなく、娘やほかの登場人物も
うまい具合に絡み合ってますよ。
また、名脇役のジョン・グッドマンが、いい味出してます。
この姿をあと何度観れるだろう
クラシックな作りの映画。安心して観れると思います。やはりイーストウッドの存在が大きいですね。
話の主体は3つです。
1つ目は年老いた野球スカウトマンのガスの話。
昨年公開した「マネーボール」の真逆の立場です。マネーボール理論に共感出来なかった人には良いのではないでしょうか。
2つ目はガスとミッキーの父娘の問題です。
ここで面白かったのは「食べ物」のシーンです。
いわゆる「フード理論」ですが、福田里香さんが以前ラジオで「フード理論」というものを話しているのを聴いてから、劇中の食のシーンに注目するようになったのですが、本作でもガスとミッキー父娘の心の距離を上手く示していました。肉を焼いているガスがミッキーに「お前も食うか?」と言うとミッキーはそれを取り上げ流しに置いてしまいます。とりつく島がない感じです。
次のシーンは球場でミッキーがホットドッグを2つ買います。1つは貰えると思ったガスにミッキーは「2個とも自分が食べる」と言います。ミッキーがまだ心を開いていないことを表しています。
次は朝食のシーンです。2人でテーブルに座ってガスは食べていますが、ミッキーは食べ物をいじっているだけで口には入れません。フード理論的にはミッキーはまだ腹の底を見せていないといったところでしょう。しかし2人でテーブルに着いただけでも2人の距離は縮まったと言えるでしょう。
そしてラスト。父娘の問題を乗り越えた時ガスが言います。「ランチでも行こう」と…ミッキーも快諾して2人で歩き出します。実際には2人の食事のシーンは出て来ませんが、2人の心が打ち解けたことを表すシーンです。
こう観ていくと、また違った見方ができて楽しいですね。
福田里香さんに感謝です。
そして3つ目はミッキーの恋愛です。
この3つのテーマがラストに集約されていきます。
なんかホッとすると言うか、いいなあって感じる映画でした。イーストウッドの姿をスクリーンで観るだけでも価値があるんですけどね。
予定調和だけど、
ストーリーは、すべてがうまくいっちゃう。
映像は、全然、新しさを感じないモノトーンのよう。
俳優陣は、頑固ジジイに、いまを生きる娘。らしい俳優を配置。
すべてが予定調和的な映画だと言えるだろう。
でも、これは否定形ではない。
クリント・イーストウッドの俳優復帰作品として、
ああやっぱり、こんな役なのねと妙に納得してしまった。
そう「グラントリノ」で見せた頑固ジジイなんだけど、
心底じゃ、ふれあいや、つながりを求めてる。
コンピュータやITなんか触りたくもない。
だけど、どこか時代遅れな自分にもため息がでてくる。
そんな役。
だから、いまの高齢者たちへのイーストウッドのやさしさであり、
リスペクトであるとも言えると思った。
それに、忙しい弁護士で共同オーナーになる寸前の娘、
だけど、本当はメジャーリーグが大好きな娘。
そんな娘役のエイミー・アダムスが素敵だ。
はじめのうちは、どこにでもいる普通の女性だったのだが、
父親とメジャーリーグの旅を続けるうちに、
自分のルーツを発見していく。
そうすることで、輝いていく。
いずれにしても、すべてが予定調和的である。
でも、これは、むかしよく見た映画の世界ではないのか?
心ときめかせて、見に行ったハリウッド映画の良質な部分。
そんなことを思った映画である。
古き良きドラマでした。
心温まる父娘の絆を取り戻すドラマ。
ライト感覚でサラっ〜と進んでいきます。
クリントイーストウッドが4年ぶりに出演するには妙に深みがないというか…。
昔のアメリカホームドラマのような優しさと、ラストもこれまたTVドラマのようなオチ付き。‘やったね!’って感じのオチですよん。
だからイーストウッドもセレクトしたのかしらん…。
古き良きアメリカンって感じでした。
昔に観た映画。
昔はこういう映画がたくさん製作されていたように記憶しています。即ち、殺人シーンや暴力シーンや性描写が全くなく、人間同士の交流に重きが置かれていた映画です。最近の映画は視覚や聴覚に突き刺さる映画が余りに多く、辟易していました。井筒和幸なる監督は、「ボクの映画には暴力とエロは必須」と豪語していました(読売新聞の夕刊)。全く、情けないことです。マイナー・リーグの老スカウトマンを演じたイーストウッドの演技は絶妙でした。是非とも、来年のアカデミー賞で主演男優賞を獲得してもらいたいものです。(尤も、イーストウッドはアカデミーの会員たちから煙たがられているので、難しいかもしれません)。時代の最先端を切り開くような新機軸がある訳ではありません。でも、落ち着いて観ることができます。イーストウッドが監督から外れていたせいか、いつものように映画が重たくなることがありません。映画の最後はまるでバート・バカラックの音楽のような軽やかさがありました。
TOHOシネマズ海老名で鑑賞。客の入りは大体、8割くらいだったでしょうか。一人でも多くの人に観てもらいたい映画です。
クリント・イーストウッドは、まだまだ健在。
『グラン・トリノ』で、半分引退の様な事を言っていたクリント・イーストウッド。ここ最近の作品は、自身が監督・主演か、あるいは監督専業と言う事が多かったが、今回の作品の監督が愛弟子ロバート・ロレンツと言う事もあってか、俳優専任として登場している。
渋いねぇ。やっぱり、クリント・イーストウッド良いですよ。自分の年令を隠すこと無しに、むしろ自分の年令を活かして今回のガスを演じています。いぶし銀の演技です。って言うか、『グラン・トリノ』もそうだったかもしれませんが、“怒れるオヤジ”と言う役どころが染み付いてしまったかもしれませんねぇ(苦笑)。
さて、冒頭、何で馬が走る映像なのか疑問を感じますが、物語後半、ガスが何故娘のミッキーを遠ざけるようなことをしてしまったのかの謎と一緒に、疑問は解けます。それと、ミッキーが酒場で男に絡まれた時のガスの興奮の理由も氷解しました。
その他にも、物語中、その後の話の伏線が結構目につきますね(笑)。原題が『TROUBLE WITH THE CURVE』と言うのも、ボーがピーナッツをもらうシーンもそういう事。特にピーナッツのシーンは、「その後に何かあるな。」と言うのはバレバレです。このあたりの演出は、もっと師匠のクリント・イーストウッドに学んだほうが良いかも>ロバート・ロレンツ監督。
タイトルに関してもう一言。これは日本人の感性と、アメリカ人の感性が違うからかもしれませんが、私はこの映画のタイトルは邦題の『人生の特等席』の方がしっくり来る感じがします。原題は、そのまんま・・・。
この作品は、クリント・イーストウッドの、クリント・イーストウッドによる映画と言っても良いでしょうか?そこにつきます。
あなたの特等席を是非映画館で!
この作品の何が素敵かと言えば、ラストシーンにしびれました!
クリント・イーストウッドが引退宣言を撤回してまでも、この作品に出る事にしたのが、解るような気がするラストシーンを見せてもらいました!
少し前に高倉健主演の邦画で『あなたへ』と言う作品がありましたが、健さんの演じる倉島と言う人物の年齢と健さんの実年齢が違い過ぎるのではないか?とその年齢差が気になり映画に集中出来ないと言う発言をされた方もいたのですが、この『人生の特等席』でイーストウッドが演じている野球選手のスカウトマンのガスは一体何歳なのだろうか?と気にならないといったらやはり嘘になるかも知れない。
そして、6歳から生き別れになっていたと言う一人娘のミッキーは孫と名乗っても決して可笑しくはなく見える。
しかしだからと言って、このガスと言う偏屈親父を巧く演じられるのは、誰か他にいるのかと、考えても、やはりイーストウッド彼をおいて他にガスを演じる事は出来ない気がした。
このガスは野球選手の事なら何でも理解出来るし、将来の才能も予想出来る、スカウトマンとしての目利きは超人的で、神業の域に達していると言うのに、一転して彼は娘との関係で、距離を縮めようとする事さえまともに出来ない不器用な奴なのだ。
そんな父親に、業を煮やし、娘は何とかして、父親との関係を良好なものにしようと食い下がる。実際にもし自分がミッキーの立場なら、どう言う距離感を持って対処するかと気になって見守って観ていました。
ミッキーは自分の仕事のキャリアと父との関係の修復と、そして彼氏との問題と人生の大きなターニングポイントの選択を同時期に迎える事になるのだ。
このピンチに出会っても決して弱音を吐かないミッキーが輝いて素晴らしくチャーミングです!このミッキーを演じているエイミー・アダムス自身も、大きな役を射止めるまでにはとても下積みが長かった俳優さんの様で、苦労人ですが、それだけに芝居は充分に名優イーストウッドの娘を演じても決して浮いて見えたりしません。『ザ・ファイター』『ジュリー&ジュリア』でも良い個性を魅せていました。30代後半になる彼女ですが益々これからの活躍に期待出来る俳優さんですね。そしてジャスティン・ティンバーレイクも素晴らしく好感の持てる役を演じています!
また、ガスの親友であり同僚のピートをジョン・グッドマンが演じるなど、芝居の巧い名優揃いで脇もしっかりと固めています。
いよいよお正月も近づいて楽しみな映画が多数出てくるこのシーズン、今、何となく心の闇の部分にフォーカスした暗い映画が多い今年の映画界で、生きる事への希望が涌いて来るようなハートウォーミングなこの映画、群を抜いて輝いています!是非年末は、この親子の心温まる映画を映画館で観て欲しいですね!きっとあなたも特等席に座れた満足を得られると思います。そして出来る事なら、あなたの大切な人と一緒に感動をシェアして欲しいですね!きっとあなたも、「ユアー・マイサンシャイン」と呟きたくなるだろう!
イーストウッドはやはり、幾つになっても素晴らしい!彼の温もりの有る眼差しが心に暖かい気持ちを運んで来てくれる素晴らしい映画だった!
偏屈で気難しい職人中の職人。まさにイーストウッドにぴったりの役でした。
作品は、あっさりしていて古き良きハリウッド映画を彷彿させるものです。最近の二転三転する、伏線が込み入ったドラマを見慣れている向きには、もう一ひねり欲しかったと思われることでしょう。
トラウマを抱えた父と娘が正面から向き合うことになって起こる衝突と和解の物語は、ほぼ予想通りのストーリー展開となって、結末が見通せてしまう作りなのです。だけどそんなスジ運びの不満を補って、登場人物を見つめる視線が温かく、じわじわと感動がわいてくる佳作に仕上がっていました。
なんといっても注目点は、2008年公開の「グランートリノ」の出演後、俳優業を一度は引退したはずの遠ざかっていたクリント・イーストウッドが、スクリーンに主役で戻ってきたことです。
俳優と言うよりも、今や米国を代表する名監督となったイーストウッドですが、俳優としても年を経るごとに味わいを増していると思います。苦虫をかみつぶしたような表情、そして渋いだみ声が存在感をスクリーンに焼き付けます。頑固なジジイ役を演じさせると、この人の右に出る者はいないでしょう。昔ながらの自分流を固に貫く。言葉遣いが乱暴で、物にも人にも当たり散らしてばかり。偏屈で気難しい職人中の職人。まさにイーストウッドにぴったりの役でした。
齢82歳を迎えたこの老俳優の顔には無数の深いしわが刻まれて、一段と老けたなという感じがありありと伝わってきます。しかし、イーストウッドの凄いところは、老いを隠さず、さらけ出しているところにあります。年相応の老いをさらけ出しても、それが実に格好良く写るところが、名優の風格なんでしょうね。まるで枯山水か、年輪を重ねたような銘木の味わいを感じさせます。そんな颯爽とした老いの姿は必見です。
物語は、米大リーグのスカウト一筋に生きてきたガスの引退がかかった、最後の仕事になるかもしれないスカウトの旅に出かけるところから描かれます。
けれども老いが忍び寄るガスには、寄る年波に相応した問題が起こっていました。朝起きると、小便の出が悪くてイライラしたり、不必要に家具に足を取られたりします。さらに視力の衰えからか、いつものように自動車を運転しようとしたら、事故を引き起こしてしまうことも。
医者の診断では、失明の可能性があるとまで告げられて、視力の衰えを自覚せざるを得ませんでした。困ったのはスカウトとしての仕事。ガスのこだわりは、高校や大学の試合を自分の目で見て回り、選手を見極めることだったのです。
それに対して、近年の野球は映画『マネーボール』で描かれたように、データ重視で、コンピューターを使って、データで有力選手を絞る手法が主流となっていたのです。それに対して、ガスは自分の目と耳と勘で新人を発掘し、コンピュータデータを信じようとしません。そんな彼に、アトランタ・ブレーブスのフロントは疑問を持ち始めます。その影には、ガスを追い落として、スカウトの座を奪おうと狙っているフィリップの存在が。フィリップは、ガスとは対称的に、現場には出向かず、コンピュータデータの統計だけで判断していたのです。
苦しい立場に追い込まれているガスを助けられるかもしれないのは、だったひとりの家族である娘のミッキーただ一人でした。彼女がスカウトに同行し、ガスの目の代わりを務めることになります。
ミッキーは、弁護士事務所で昇格がかかる大事な仕事を抱えていました。でも、父の窮地を見捨てることができなかったのです。そんな親孝行な娘の心意気なのに、ふたりの間は、いつもすれ違い気味。一体どんなトラウマを抱えていたのでしょうか?
実は、ガスは早くに妻を亡くし、ミッキーは幼くして親戚に預けられ、学校も寄宿舎に入れられてきたのでした。そんなガスの仕打ちに、ミッキーはずっと父親から捨てられたと思い込み、怨んでいたのです。おまけに愛情を示すのが大の苦手だったガス。ミッキーが心ならずと実の父親にぶつかってしまうのも、頷けました。そんな、苦しいミッキーの胸の内を、繊細な演技でエイミー・ アダムスが好演していて、ホロリと泣かされます。
これって結構皆さんのなかにも経験があるではないでしょうか。子供の頃のちょっとした誤解で、両親に愛されなかった、置いてきぼりにされたという恨み心がすっと残っていて、怖いのはそれを忘れてしまっていることです。ちょうどミッキーと同じアラサーになってから、潜在意識に残った恨み心がにょきにょきと顕在化して、人生を狂わしていくことが多いようなのですね。だから時々は人生を深く振り返って、心の中に恨み心が宿っていないか、点検してみることは大切です。
意外なことに弁護士のミッキーは、ガスにひけをとらず、プロのスカウト並みに野球に詳しかったことです。それもそのはずで、幼い時はいつもガスに連れられて、野球試合を見続ける日々をミッキーは過ごしてきたのでした。
何年かぶりに一緒に過ごすし、父の目の代わりをやり遂げるなかで、ふたりはお互いを見つめ直します。徐々にふたりの関係は打ち解けていくようになるのでした。
その大きなヤマ場は、ガスの意見が退けられて、ガスが問題ありと見抜いた選手を球団が指名一位に押すことを決定したとき。データだけでそれを推進したフィリップの批判で、とうとうガスは引退することになってしまいます。失意のガスを励まそうとするミッキーでしたが、かえって口論に。自分を捨てたことを赤裸々に訴える娘に、今まで父が何も語らなかった長く秘められてきた真実が明らかになっていくのです。
お互いの思いがぶつかり会ういいシーンでした。
ここからラストに向けての展開はスピードアップして、ちょっと出来すぎという感じがしました。もっとひねりが欲しいところです。ガスがかつて指名した元投手で新人スカウトのジョニーとミッキーの恋がサブストーリーで描かれるのは、いささか冗長ぎみ。もしイーストウッドが監督をしたのなら、もっと大胆にはしょっくって、本筋の映画の密度を上げたはずだから、惜しいと思います。
それでも、ラストでガスとミッキーの親子の目利きの確かさが、ある隠し玉の登場ではっきりして、データー重視のフィリップを痛打することになるシーンでは、冒頭のあるシーンが重要な伏線として描かれており、ずっと仕事と人生に悩んできたミッキーが新しい選択をすることと相まって、なかなか芸が細かい演出を、ロレンツ監督は見せてくれました。
全60件中、41~60件目を表示