劇場公開日 2013年3月15日

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「エンドロールを見ていて「嗚呼」と落ちる。」クラウド アトラス ひちょさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0エンドロールを見ていて「嗚呼」と落ちる。

2013年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

賛否両論が極端にありそうですが、個人的には今最大に楽しかった映画なので5です。

まず、まるで切り貼りされた話。サイトやチラシの情報でもそれは解っていたので最初は「よし、見るぞ」と腰を据えて見るき満々で、最初一〇分ぐらいは頭を使おうとするのですが、しばらくすると
「あ、何も考えないでいい」
とストンと落ちる。

最も、考えながら見ていて「あ、これはそれ」「あ、これがあれか」とか、その場その場でパズルを組み立てていくのもまた一興。
幾つものストーリーが並行して進むさなか、唯一恐らくお笑い要素を持ったストーリーがありますが、私はあれが一番好きかもしれないです。
でもそれが意外と未来に小さな影響与えてて「ああ!」となる。

ラスト、エンドロールまで見ているとある意味答え合わせ的な役者の演じたキャラが出てくる。
何となくは解っていても「あ、これがそれ。ああ、ああ!」と納得しつつも、このエンドロールの時間で自分の中で話を綺麗に構築し直すと、あの劇中にも重要な音楽が心に染み渡り、ほろりときます。
様々な愛、友情が様々な時を経て未来につながっていく。
中々面白い。

そしてある意味重要だなと思ったのはペ・ドゥナ演じるソンミ。
そして彼女が演じる他の時代の人。
とある時代のストーリーが終わるとき、彼女の行動が遥未来の彼女にもつながっていてホロリと来る。

これは久々にもう一度見たいと思った作品。
出来ればその内、非入れ替え制の小さな名画座で上映される際には居座って一日見て、切り貼りした話を再び違う目線でみながら、新しく話を構築したいなと思った。
映画、映像媒体だからこそ出来るのだろうと思う。
たかだか小さな演出でも、カットが変わるときの繋がりとかは見ていてリズミカルでかっこいいとも思う。
これは是非、色んな人に見て貰いたいですし、身内にも見た人がいたら是非話をしたいなと思う。そういうある意味、映画の楽しみを久々に思い出させてくれる映画だった気がします。

ひちょ