劇場公開日 2013年3月15日

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「これこそ映画だ!人生と映画の醍醐味を映画館で是非!」クラウド アトラス Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5これこそ映画だ!人生と映画の醍醐味を映画館で是非!

2013年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

流石は、「マトリックス」シリーズを制作したスタッフによる作品だけある!
ハリウッドでは、絶対に真正面から真面目にこのテーマを扱う事はタブーである、魂の連鎖・人の個々の生命の輪廻転生とその魂の旅路で出会う他の魂との繋がりを真摯に描いた力作だ。
ヒンズー教や、仏教徒など東洋人には自然に受け入れられ、信じられている魂の旅をテーマの軸にしてストーリーを展開して行く映画を制作したと言うこの事実だけで、キリスト教圏である欧米社会にとっては、一大事件の歴史的な意味のある作品である。
かつて、オスカー女優のシャリー・マクレーンが自作の著書のテレビ映画化を図りアメリカでは大反響を起こした「アウト・オン・ナリム」と言う作品があったが、この作品では人の日々の生活行動の結果が新たなその人の未来を創造していく事から、人間自身も創造主であると主張したこの作品は、アメリカでは大変大きな話題を撒き起こし、彼女はこの作品を制作した以降は、変わり者のレッテルが張られた。この作品では彼女の半生で出会い、体験した人々との交流を通して、人と人の魂の繋がりを個人的に描いた作品で、本作「クラウドアトラス」を観た人にはお薦めの1本であると共に、こちらの作品は個人の半生なのでストーリーを追って観て行くのもとてもシンプルで理解し易い作品だ。
私の個人的な好みで言えば、人の魂の旅がテーマ作品は大大大好きなのだが、6つの転生をランダムに行き来するこの映画では、主要な登場人物の何時の人生が今観ているシーンの人生にどう繋がって来ているのかを判別する事に観客の神経は総て終始してしまう帰来が有る為に複雑で難解な作品であると言えるし、映画をリラックスして楽しむ感覚で、映画館に行くと大失敗と言う事になる。
単純にアクションシーンや甘いラブロマンスなどのストーリーを楽しみたい方にはNGの作品だ。それにデートには不向きの映画?と言えるかな?しかし観賞後に、2人で自分達の転生の出会いや、過去世や来世を想像してみるととてもロマンチックで、悪く無いから、考え方に因ってはデート向きの映画であるとも言える。
しかし複雑なので、この映画は寝不足で観るのは、NGだ。
この作品に関しては、レビューで種明かしが出来ないので、敢えて作品の詳細に付いては発言を差し控える事にするが、出来る事なら、映画館の大画面で、是非観る事をお薦めしたいが、1回では頭の中で登場人物の相関関係が理解出来ないので、2度3度と観て頭の中を整理し、しっかり理解するならDVDとなるし、難しい選択だよね。3時間以上の作品なので、2回3回観るのも時間的にも大変だ。
昔なら、映画館は入れ替えが無いので、1日朝から終映まで居て何度も観れば理解が出来る作品かも知れないが、今日のシネコンなどの入れ替え制の映画館では、そうはいかないので、映画の上映をする時には、リピーターの観客には、是非半券持参で半額または3割引きなどのサービスをして貰えたら更に嬉しく、安心して、観賞後の難解で未消化な部分も次回に解決出来ると思えば、更に映画が楽しめると思うのだが?映画制作者や、配給会社など、関係者はどう考えるだろうか?映画人口の全体の連鎖も考えて欲しい作品だ!

ryuu topiann