ある歌い女の思い出

劇場公開日:

解説

1950年代のチュニジア王政最後の王宮を舞台にした、母と娘の葛藤のドラマ。王宮という密室空間に生きる女性の哀しみを切々と描写する。

1994年製作/127分/チュニジア・フランス合作
原題:Saimt el Qusur
配給:エスパースサロウ
劇場公開日:2001年2月10日

ストーリー

歌い女アリヤ(アーメル・へディリ)は厳しい面持ちで恋唄を歌う。宴の席で聞く者は誰もおらず、また恋人ロトフィは宿っている子の出産を望んでいない。鬱々と過ぎ行く日々が続いていた時、ショッキングな知らせが届く。幼少の頃、実の父のように自分を可愛がってくれたシド・アリが死んだというのだ。シド・アリはチュニジア王政最後の皇太子で、アリヤの母ケディージャは王族と来客の前で踊る召使。アリヤは10年振りに王宮を訪ねたが、生気のないうらぶれた風景に消沈する。当時、召使は奴隷同然の身。歌手や踊り子も娼婦と同じようなもの。さらにケディージャはシド・アリの弟と関係を迫られ妊娠する。母の職業や所業に厳しい眼差しを向け、時に反発・軽蔑・否定していたアリヤだが、「娘」が「母」になることによってはじめて、「母」の本当の気持が分かるのだった…。

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