特ダネ三十時間 白昼の脅迫 女の牙

劇場公開日:

解説

「天下の快男児 万年太郎」の舟橋和郎(白昼の脅迫)と、「遊星王子」の森田新(女の牙)の脚本を、いずれも「リスとアメリカ人 廃虚の銃声」のコンビ若林栄二郎が監督し、藤井静が撮影した。

1960年製作/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年2月9日

ストーリー

〔白昼の脅迫〕“女工さん、行方不明?”社会面の片隅に出た小さな記事を見て、日本新聞の敏腕事件記者清水は殺人だ!と直感した。折しも社会部に電話がかかった。女工は殺されている……電話の声は死骸の場所を告げると切れた。カメラマンを同行した清水は、工場のガレージへ直行、くまなくさがしたがさがすものは出てこなかった。社には再び潮笑するような怪電話がかかった。清水が怒ると、電話の主は清水のライバル、毎朝新聞のベテラン記者大木の許に通報をのりかえた。大木はその真実性を嗅ぎつけると、警察犬を使って工場のボイラー室の煙突から女工の他殺死体を発見した。しかし大黒星の清水も黙ってはいられない。被害者の親友郁子から特ダネを引き出そうとしたが、郁子の口は堅かった。しかし彼女が犯人について何かを知っている、と清水は直感した。一方大木は、ひんぱんに来る犯人の電話からその声をテープにとっていた。或る日、最後だと称して、被害者の時計を郵送したという電話が来た。大木は電話を引き延ばすと、パトカーを現場の公衆電話に急行させた。しかしその電話ボックスには二人の子供がいるばかりだった。工場従業員の写真の中から、子供の記憶を頼りに電話の男をさがす傍ら、テープの声を全従業員に聞かせると、塗装工友田が濃厚に浮び上った。しかし友田は殺された女の死体から時計を盗んだだけで、被害者についていた血液は友田のではなかった。怪電話は新聞に恨みのある友田のいたずらであったことが判明した。捜査は振り出しに戻った。清水は口をつぐんだままの郁子をひそかに見張ることにした。郁子は会社を早退した。警察に知らせよう、殺したのは池島という工場の課長にちがいない。池島はかつて郁子をも誘惑しようとした。しかし赤電話に手をかけようとする郁子の後に池島が立った。張り込んだ清水が飛び出さなかったら、次の瞬間郁子も親友の憂き目をくり返すところだった。 〔女の牙〕日本新聞社会部の清水は今日もまたいたずら電話にひっかかった。現場に急行してみると、新婚夫婦のピストル射殺死体とやらはなく清水が通報者と間違えた女性は絶世の美人であった。女は高級車で待ち合せの男と去って行った。社に帰った清水を正真正銘の大事件が待っていた。公金横領の犯人が割れたのである。毎朝のベテラン大木も勿論いる。清水の闘志は燃えた。犯人は菊山という商工省の若い役人だったが、清水は意外なことを発見した。先日、美人の女性と去った男が菊山だったのである。女は石崎由美子という服装学院に通う学生だった。清水はわずかに大木をぬいた。菊山は浪費した公金の残金六千万円を東京駅のロッカー・ルームで盗まれたと訴えた。捜査はこの方面に進んだ。菊山は更に人気歌手花村冴子や黒田ノリ子というアプレ娘とも関係のあることが判明した。菊山はノリ子にスポーツ・カーを買い与えていた。しかし菊山が六千万円の秘密をあずける相手とは思えない。清水は由美子を張った。由美子が兄の三郎と郷里に帰ることになった。しかし実は二人は恋人同士、つまり共謀して菊山を手玉にとっていたのである。三郎の仲間、ウシクダラの政がこの特ダネを清水に提供した。清水は東京駅にかけつけ、公金入りのバッグを手に高飛び寸前の二人につめ寄った。しかしバッグの中はから、六千万円は出て来なかった。六千万円の犯人はノリ子だった。ロッカーの鍵を手に入れたノリ子がとうの昔にバッグから抜き取っていたのである。ノリ子はウシクダラの政と高飛びしようとしたところを大木に捕えられた。

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