劇場公開日 1995年10月21日

「塚本Q」電柱小僧の冒険(ビデオリミックス版) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0塚本Q

2020年8月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

興奮

塚本晋也監督1987年の作品。
ぴあフィルムフェスティバルPFFアワードでグランプリを受賞し、この成功により『鉄男』へと繋がった。
作品は“海獣シアター”の仲間と共に作った8ミリ作品。もしこれが大手メジャーの作品だったら企画すら通らなかったであろうシュールな異色作。

“電柱小僧”という珍妙なタイトル。某バラエティー『博士ちゃん』で紹介されるような電柱大好き子供に非ず。
背中から電柱が生えてる少年!
この時点で「?」。
そんな電柱小僧が未来へタイムスリップ。人類を脅かす吸血鬼集団と戦う…!
さらに「??」。

まあ、作品の設定や話には追究しない事。理解しようとしたって分からない。
見るべきは、鮮烈な塚本ワールド。
弱虫電柱小僧、彼を鼓舞する女性、ミュージシャンみたいな出で立ちの吸血鬼集団、異様な雲に覆われたご近所的な終末世界。
それらをユニークな映像表現で演出。何だか大林宣彦監督のデビュー作『HOUSE/ハウス』を彷彿。
弱虫クンの奮闘劇でもある。

幼少の頃、『ウルトラQ』に衝撃を受けたという塚本監督。
この異色の世界観はさながら、塚本監督の『ウルトラQ』。

近大