野獣群

劇場公開日:

解説

樫原一郎の原作を、「殺人と拳銃」のコンビ、浅野辰雄と西沢治が脚色し、浅野辰雄が自ら監督した犯罪映画。撮影は井上莞。主演は「夜の鼓」の殿山泰司をはじめ、近藤宏、嵯峨善兵、左京路子など。

1958年製作/43分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1958年4月12日

ストーリー

殺人をともなった倉庫破り事件に、名古屋の警察当局は犯人の逮捕に狂奔していたが、三ケ月たってもそれらしきホシを掴むことが出来なかった。刑事部長の舟曳は連日連夜キャバレー「タイガー」に出没していた。この事件の手口が運送に関係のある男の仕業と推定、運送業をも経営しているこの店の社長箱田を黒とみたからだった。舟曳にとって都合のよいことには、五年前に脅迫行為をした箱田を微罪で救ったことがあった。舟曳に娘の梨枝子の結婚資金にと、箱田がぶ厚い紙包みを出すのを、彼はだまって手にした。刑事の六感から今夜あたり、何かが起きそうだと予知したからだ。舟曳が店を出ようとした時である。昨日監獄から出たばかりの大源が、倉庫強盗事件で殺された男の死因をネタに、ゆすりに来た。思わぬ証人の出現に、舟曳は大源を殺してしまってはと察し、大源をうまいこと追い帰した。支配人風間は乾分安本に大源のバラシを命じた。また、箱田は舟曳を呼び、仕事への協力方を求めた。舟曳は協力を誓い、一方この件の日時、場所をしたためたメモをダンサーに託し、梨枝子の許に走らせた。ホールではストリップ・ショウが開かれていた。が、現われたのは血みどろ姿の大源だった。舟曳は躍り出して行った、本来の刑事の姿にたち戻って。箱田らは裏切られたと知り、舟曳を包囲した。その時梨枝子から知らせを受けた警官隊が到着した。たちまち箱田らは逮捕された。

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