逢いたかったぜ

劇場公開日:

解説

目黒賢太郎の原作を「志津野一平 地獄の接吻」の共同脚色者の一人、田辺朝治が脚色し「白浪若衆 江戸怪盗伝」の小林桂三郎が監督、「人生とんぼ返り(1955)」の高村倉太郎が撮影を担当した。主なる出演者は「続・警察日記」の金子信雄、藤代鮎子、小田切みき、「乳房よ永遠なれ」の木室郁子、新人名和宏、歌手岡晴夫など。

1955年製作/65分/日本
配給:日活
劇場公開日:1955年12月20日

ストーリー

四カ月ぶりに帰港した邦徳丸の船員花村千吉は、安藤という若者が港の古顔の政、虎、辰たちに危くヤキをいれられるところを救ってやった。その花村がバー「ラバさん」の表戸をあげると、マダムの葉子、一人息子の秀夫、バーテン健一が明るく迎えた。花村は葉子の姪で洋裁学校へ通っている初枝が好きなのだ。そこへ先刻の安藤が来て、ぜひ弟分にしてくれというが、花村はヤクザは大きらいだと相手にしない。悄然と帰って行く安藤の一本気に、初枝は心を惹かれたようだ。やがて花村がバーを出ると入れちがいに政たちが来て、昼間の礼は必ずするから伝えろとすごむのだった。翌日、また安藤につかまった花村はみなし児だと聞いて可哀想になり、港で職にありつけない安藤を自分の船で働けるように口をきいてやった。邦徳丸が出航する日、政に呼び出された花村はボスの坂田に拳銃の引金を曳いた。それから三年目の秋、刑務所を出た花村は迎えに来た健一に初枝のことを訊くが、なぜか健一は口ごもるのだった。初枝と結婚していた安藤は、葉子から花村が初枝を愛していたときかされ、愕然とした。初枝はすでに身ごもっていたのである。安藤のアパートを訪ねた花村は初枝を見て一度は憤りを覚えたが二人の幸福を祈ってすべてを諦めた。同じ頃、花村の出所を知った政たちは報復のため、呼び出しの電話をかけて来た。電話口に出た安藤は花村の身代りに公園へ向うが、「ラバさん」でそれを知った花村は安藤を追い、葉子が警察に連絡した。政たちの逃げたあと、花村は詫びる安藤の肩を叩いて「バカな真似はよせ、もうすぐ親父じゃないか、逢いたかったぜ、三年ぶりに」と明るく笑うのだった。

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