遠い一つの道

劇場公開日:

解説

新国劇で上演された菊島隆三の原作を、原作者自身と内川清一郎・安藤日出男が共同で脚色し、「大穴」の内川清一郎が監督したボクシング映画。撮影は「噛みついた若旦那」の伊東秀朗が担当した。

1960年製作/95分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1960年9月13日

ストーリー

かつてのバンタム級チャンピオン桑田猛は、引退してジムを開き後進の育成に専心している。ある日、彼のところへ城南大学拳闘部の白木保が、桑田拳闘後援会会長吉井の娘明子に伴われて訪ねて来た。前夜、銀座裏で愚連隊と喧嘩した白木は、仲裁に入った桑田を誤って殴り倒してしまい、それを詑びに来たのだ。桑田は彼を強引にジムに加入させることに成功した。白木は時子の家から桑田の家に移った。期待通り彼の実力は日に日に向上した。桑田は彼が叔母だと紹介した時子と、白木が恋愛関係にあるのをしった。三人は相談の上、白木が一人前になったら結婚させることにした。時子は内証でいつもの逢いびきの場所「紫苑荘」に白木を呼び出した。が、現われたのは桑田だった。自分の体をもてあました時子を、桑田は押し倒した。待望の新人王決定戦--試合時間が追っても白木はなかなか現われない。開始寸前、白木は控室に駈けこんで来た。試合開始、形勢は白木に不利のまま、ラウンドは進んだ。が、第四ラウンドになって観客席に時子の姿がみえた。彼女をみた白木は猛然ファイトを沸かし、逆に相手をKOした。喜びに沸く控室に戻った白木は、桑田に猛烈なパンチを喰わせた。白木は試合前に時子に連絡し、彼女の態度に疑問をもち、桑田と時子の関係を知った。白木は仲間と加山拳に移籍した。順子は桑田に別れ話を持ち出した。ヤケ酒をのんだ桑田は、街頭で与太者と喧嘩している若者の素晴らしいパンチを、おぼろげなまなこでいつまでもみつめていた。

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