温泉芸者

劇場公開日:

解説

斎藤米二郎原作“しわんつ”を「いつでも夢を」の下飯坂菊馬が脚色、「真昼の罠(1962)」の富本壮吉が監督した風俗ドラマ。撮影は「その夜は忘れない」の小原譲治。

1963年製作/80分/日本
配給:大映
劇場公開日:1963年2月7日

ストーリー

秋葉川温泉の芸者しめ香はこの土地第一の売れっ子芸者だ。素晴しい肉体と、口が不自由ということで人気があったが、しめ香が口が不自由なのは真赤な嘘で、少女時代から転々と色街を渡り歩き、可愛がってくれた嵐子姫さんがビッコで五百万円もの金をためたことから、ヒントを得て口が不自由な様になりすましたのだった。しめ香にいれあげている男達は競って彼女をものにしようと近づくが、彼女の巧みな変り身をもってお礼だけをふんだくられて放りだされてしまう。彼女の稼ぎはこっそり押し入れにかくしてある一升びんの中に貯めこまれていた。一本、二本、千円札でぎっしりつまった、びんは増えていった。土地の有力者金森は、妾が学生と駆落ちして以来、しめ香に通いつづけていた。が、やっと念願が叶ってしめ香を二号にする契約ができた。しかし、金森の家系にたとえ二号なりと口の不自由な女が交わるとは、伝統ある家名が汚れるという、本妻の横槍でこの話はこわれてしまった。そんなある日、彼女が初めてこの町へくる途中出逢った中学校教師田代と再会した。田代は無智なしめ香の生活に同情しているうちに、だんだん彼女を愛するようになった。しめ香もまた田代に初めての恋を感じた。田代としめ香の人目を忍ぶ逢びきがはじまった。しめ香は自分の愛情を言葉で表現できない口惜しさに、実は話せることを打ち明けようと思うのだが、お金をためなければ彼と結婚できないと我慢するのだった。二人の逢瀬を快く思わない女将のキヨは、土地のヤクザを使って田代を痛めつけた。凄惨な田代の姿にしめ香は思わず声を出してしまった。一瞬呆然となる一同。田代はしめ香が嘘を付いていたことを知って彼女から離れていった--。それから一年、観光地を走る遊覧バスの中で、美しい声をはりあげて説明するしめ香の姿があった。

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