女性春秋

解説

マルガレーテ・マリア・ランゲン女史が自作の物語を映画脚色し、ゲザ・フォン・ボルヴァリー氏が監督したもので、主役はエレン・キュルティ嬢が演じ、ハンス・ミーレンドルフ氏、アルバート・シュタインリュック氏、マルガレーテ・クップァー嬢、ワルター・グロツスマン氏等が共演している。無声。

1924年製作/ドイツ
原題:Girls One Does Not Marry

ストーリー

ルイザは女の細腕で一家の生計を支えてゆかねばならぬ職業婦人であった。同じ会社に勤めているブルーノーと彼女は恋を語る仲となったけれども、ブルーノーは無節操漢で幾何もなくルイザを棄て顧みなかった。それからの彼女は恋の巡礼者となった。世間を知らぬお坊ちゃんのアーノルドから、故縦と淫蕩の伯爵シユレエベン・フエルトの腕に抱かれた。ルイザはかくて自らも淫蕩な生活を知らず識らず好むようになった。そして伯爵の奸計に陥ちた彼女は、やがて黄金の餌であらゆる女の貞操を漁る百万長者の飽くことを知らぬ肉慾の犠牲となるのやむなきに至った。しかし、激しい楽欲の生活はルイザの精神に反動を起させた。謹厳にして篤学なフリーマン博士と相識るに及んで、生れて初めて本当の愛というものを知ることが出来たようにルイザは思った。そして、博士もまた彼女を温い愛の手で抱擁してくれた。ルイザはそれが嬉しかった。有り難いと思った。しかし、彼女は博士と逢うことが余りに遅すぎた事を悲しまずにはいられなかった。ルイザは正廉なる人格者たる博士を愛すれば愛する程、自分自身が鞭うたれる思いがした。処女ならぬ身をどうして博士に契ることが出来ようか。思い悩んだ末にルイザは真の愛人たる博士に「愛すればこそ」と悲しい遺書を残して寂しく死の都へと旅立ったのであった。

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