大遠征軍

劇場公開日:

解説

「ユリシーズ(1954)」「テオドラ」「カルタゴの女奴隷」等の系列に属する、サイレント時代の「カビリア」以来伝統をもつイタリア史劇映画の一篇。十六世紀のイタリア詩人トルクアート・タッソの叙事詩“解放されたエルサレム”をもとに、アレッサンドロ・コンティネンツァが脚本を書き、戦前から史劇を手がけているカルロ・L・ブラガリアが監督した。第一次十字軍の聖地エルサレム奪還を描くスペクタクルである。撮影は「テオドラ」のロドルフォ・ロンバルディ、音楽はロベルト・ニコロージ。主演するのは「芽ばえ」のシルヴァ・コシナ、「水田地帯」「河の女」のリック・バッタリア、「カルタゴの女奴隷」のジャンナ・マリア・カナーレ、スペイン俳優で「暗黒街は俺のものだ」のフランシスコ・ラバル等。製作オッタヴィオ・ポッジ。

1957年製作/95分/イタリア
原題:Gersalemme Liberata
配給:イタリフィルム=NCC
劇場公開日:1958年7月15日

ストーリー

時は十一世紀の末、第一回十字軍は聖地エルサレムを解放しようと包囲していたが、サラセン軍の抵抗は激しく、援軍の勇将タンクレーディ(フランシスコ・ラバル)の到着が待たれていた。聖地に向って進むタンクレーディの隊には、回教徒の王女エルミニア(リヴィア・コンタルディ)が捕われていた。彼女は秘かにタンクレーディを愛していた。隊の中にサラセン軍の女騎士でペルシャ王女のクロリンダ姫(シルヴァ・コシナ)が変装して潜入していることを知ったエルミニアは、これをタンクレーディに告げたが、彼の心はかえってクロリンダ姫にかたむき、彼は敵方の姫をわざと逃してやった。エルサレム城にかえった姫は、王女エルミニアを二人のキリスト教徒捕虜と交換して城内にひきとった。しかしタンクレーディの恋しい王女は、クロリンダ姫の男装束に身を固めて城から出て、戦場に兜を落した。姫の兜を見て驚いたタンクレーディは、狂気のように彼女を探したが、そのうち味方の兵から、同じ十字軍の勇者リナルド(リック・バッタリア)が、味方のダマスクス王女アルミーダ(ジャンナ・マリア・カナーレ)の城に、王女の美しさを囮に幽閉されているのを聞いた。折から十字軍とサラセン軍は、両軍の勇士の一騎討によってその勝敗を決することになり、十字軍のタンクレーディと、サラセン軍の将軍アルガンテの対戦となった。しかし日が没しても勝敗は決せず翌日に持ちこされた。その夜、タンクレーディは虚をついて同志リナルド奪回のため王女アルミーダの城を襲った。このため翌日の一騎討続行は不可能となり、両軍は再び乱戦状態に突入した。リナルド救出に成功したタンクレーディを迎え、十字軍は勇気百倍突撃を敢行した。リナルドが城壁に一番乗りした。タンクレーディは勇敢な若武者を追って、やっとこれを倒したが、彼こそはクロリンダ姫の男装の姿だった。勝負を決すべく現れたアルガンテを倒し、タンクレーディは自からもその場に力尽きて死んだ。エルサレム城陥落を祝う十字軍の勝どきの声のこだまする戦場には、悲しみの王女エルミニアの姿があった。

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