君を呼ぶタンゴ

劇場公開日:

解説

タンゴ歌手としてわが国にも有名なカルロス・ガルデルの伝記映画(一九四二年作)でラスタ・レソン・イ・ラナータの脚本によりアルベルト・デ・サバリアが監督した。音楽はマリオ・マウラノ。ガルデルには人気歌手ウーゴ・デル・カリルが扮し、ほかデリア・ガルセス、ミグエル・ゴメス・バオ、フワニータ・スーホ、エルサ・オコノールなどが出演する。

1942年製作/アルゼンチン
原題:La Vida de Carlos Gardel
配給:スター・フィルム=欧米映画
劇場公開日:1953年6月16日

ストーリー

一九〇六年、ブエノス・アイレスの裏街で十二歳になるカルロスは遊び友達のテレサと仲良く暮していた。カルロスの美声はそのころから近隣で評判だった。成人したカルロス(ウーゴ・デル・カリル)は地主アロスの愛人ドリーナの宴会で欠席した人気歌手レンゴ・バサンの代りに歌うチャンスを得たが、彼が歌いはじめようとしたとき、バサンが現れ、折角のチャンスも消えた。失望したカルロスの純真さに惹かれたドリーナは彼を大興行師に紹介した。テストの結果は成功で彼は歌手としての輝かしい第一歩を踏出した。カルロスとドリーナは次第に近づき、テレサは独り失意に悶えたが、カルロスの真意は彼女にあった。テレサが友人ペドロの求婚を承諾したときいて、カルロスは傷心をまぎらわそうとヨーロッパ巡演に旅立ち、テレサが港にかけつけた時は立ったあとだった。カルロスは各地で好評を博し、ハリウッドでは映画に出演した。一方テレサは身体をこわしてひそかにカルロスを思いながら病床に伏していたが、もう余命のないことを知って最後のねがいを電報に托してカルロスに二人の歌を歌ってくれとたのんだ。丁度放送するとき電報をうけたカルロスは彼女のかわらぬ心を知り、心をこめて二人の歌を放送した。そして彼女の危篤にかけつけようとして飛行機事故のため死んでしまったが、丁度その頃テレサも永眠した。二人は天国で結ばれるだろう。

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