名誉ある罪人

解説

米国歌劇界においてはなはだ人気あり、また映画界においても有名なるメアリー・ガーデン嬢主演の映画で、「タイース」以来久し振りに本邦に紹介されるわけである。

1918年製作／アメリカ
原題：The Splendid Sinner

ストーリー

ドロレス・ファーギスはルドルフ・フォン・ツォルンという男の世話になっていたが、その腐敗しきった生活に愛想を尽かし、避村に到って自然に親しんで新生涯を開拓していた。父に無理やりに医学を習得させられた音楽好きの青年ヒュー・マックスウェルとファーギスが恋仲となりやがて結婚したのはその後間もないことで、2人は成功を夢見てニューヨークに出た。しかし彼らの家にニューヨークがもたらしたのは数カ月の後に至ってもただ失敗と頭痛の種ばかりであった。ファーギスは意を決して昔出入りした賭博場に到り大金を勝ち得て一安心したが、昔世話になった悪人ルドルフと再会しまた執拗な男の脅迫に苦しむこととなった。やがて世界大戦開かるるやヒューは連合軍、ルドルフはドイツ軍に所属して戦場に出て、ファーギスもまた看護婦となって働いた。負傷したヒューはファーギスと逢い引きし、某重大使命を彼女に託したが、不幸彼女は遂行後捕らわれの身となり、ルドルフの手に渡され、誘惑を以て侮辱されたが、ついに口を閉ざし語らず、この名誉ある婦人捕虜は銃刑に倒れたのである。