西部のラスカ

解説

舞台出の新人レオ・カリーロ、「ビリー・ザ・キッド」「船出の朝」のジョニー・マック・ブラウン、「懐しのアリゾナ」「空中大曲芸団」のドロシー・パージェスの3人が主演する映画で原作はトム・リードの筆になり、ランドール・H・フェイが脚色し、「ドレーク事件」「男・女・妻」のエドワード・レムルが監督し、「追撃千里」「山猫ならし」のハリー・ニューマンが撮影した。助演者は「西部戦線異状なし」「禁酒天国」のスリム・サマーヴィル、「懐しのアリゾナ」のフランク・カンポーその他である。

1931年製作/アメリカ
原題:Lasca of the Rio Grande

ストーリー

メキシコとの国境を流れるリオ・グランデ河に程近いテキサスのある街にトレス・ヴァッカスの酒場というのあがあった。ここの踊り子ラスカはその美貌と侠気とにより人気をあつめていた。彼女は牧場の所有者でサンタ・クルツという男から寵愛をうけていたがサンタ・クルツは表面牧場主を装ってはいるものの実は不逞の徒の団長であった。彼の性格が粗暴であることから彼を嫌っているラスカは牧場に宴会が催された夜、監視に来た役人のマイケル・マンケイドに親しみを感じた。その晩、ラスカは戸外で暴漢に襲われ、身をばまもるためにその暴漢を死に至らしめた。マイルスは彼女を殺人者として護送する途中恋に落ちてしまった。彼は恋と職務の間にはまれ手億位悩んだ挙げ句、遂に彼女を逃がしてしまうマイルスは職務を忘れた罪で獄に投ぜられた。しかし長身男のクラバップルの助けてそこをぬけ出た彼は再びラスカを引き立てんとトレス・ヴァカスに立ち戻った。ラスカはマイルスの手に捕らえられた。サンタ・クルツの一隊は彼女を奪還しマイルスを銃殺せんとする。いまはマイルスなくしては片時も居られないラスカは秘かに彼と打ち合わせて逃走を約束する。だが彼らの企てを知ったクルツは手下のインデアンに命じてマイルスを撃たせた。後から駆けつけたラスカは雷雨激しき中に傷つける恋人を認めこれを介抱しようとしている時、群れとなして殺到し来る家畜の姿を見た。マイルスを背負ってこれを避ける暇もないことを悟った彼女は己が身を犠牲にしてマイルスを救った。このためマイルスの生命は事無きを得たが哀れラスカは重傷の体を横たえねばならなかった。マイルスは恋人であり、恩人であるラスカの傍らで感謝と哀惜の涙に暮れるばかりであった。

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