苦闘の栄冠

解説

アリス・ブラッドリー女史作のベラスコ当り狂言を映画化したもので「愚者」「冬来りなば」等と同じくハリー・ミラード氏が監督したものである。舞台女優として名声あるジェーン・グレイ嬢と「晩年の誘惑」に出演したロバート・ヘインズ氏とが主演し、「愛の波乱」等に出演したアン・ルーサー嬢や、レスリー・オースティン氏等が助演している。

1923年製作/アメリカ
原題:The Governor's Lady

ストーリー

ある銀鉱の鉱夫頭ダニエル・ヘインズは十年の結婚生活の後、妻には子供が出来ないと医師に宣告されて失望した。彼は富と名誉とを獲るのを生涯の目的と決め若い弁護士ロバート・ヘイスの勤めで石油株を買った。更に十年後の後彼は少なからぬ資産を蓄え町で一番大きな家に住むことになった。夫の野心と計画を少しも知らなかった妻のメリーは住み馴れた小屋に別れを惜んだ。メリーは大家の主婦としての素養がないので夫はそれを苦にした。ストリクトランドという金はないが人望ある人はダニエルが知事になる運動を手伝った。その娘カザリンはヘイスと恋仲だったが彼女は金がないので結婚は出来ぬとヘイスに告げた。スレイド夫妻がストリクトランド家に招待された時カザリンはダニエルに大変好意を示した。ダニエルはある考えを抱き家に帰って後一人家出してホテルに泊った。妻のメリーは一旦怒ったが夫が知事に任命されたと聞いたので悦びに堪えず祝を述べに夫を訪れた。夫はしかし彼女に冷たくして出世の邪魔になるから離婚したい、他に適当な女がいると言った。しかしカザリンは誠に愛しているヘイスと別れるを欲せずダニエルには優しく断った。ダニエルは妻こそ自分を最もよく理解してくれることを感じ終世の愛を誓ってメリーに許しを求めた。

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