金髪乱れて

解説

「貞操切符」「各国の女」と同じくラウール・ウォルシュが監督した映画で、「春なき二万年」「ヤング・アメリカ」のスペンサー・トレイシーと「街の狼」「影を持つ女」のジョーン・ベネットが主演するもの。原作は「街の狼」「軟派ガール」の共同脚色者バリー・コナーズとフィリップ・クラインが書き下ろし、「謎の真空管」「ハリウッドは大騒ぎ」のアーサー・コーバーが脚色に当たった。カメラは「放送室の殺人」のアーサー・ミラーが受け持った。助演者は「輝く西部」のマリオン・バーンズ、昔日のスター、ジョージ・ウォルシュ、「心の青空」のJ・ファーレン・マクドナルド、ノエル・マディソン、ヘンリー・B・ウォルソール等。

1932年製作/アメリカ
原題:Me And My Gal

ストーリー

警視庁のラジオ自動車班に属する青年探偵ダン・ドーランは、巡査時代から波止場の1品料理店の勘定係りのヘレン・ライリーに恋をしていた。ヘレンの姉のケイトはデュークという大泥棒に、そんな素性の男とは知らずに恋をした。そして彼が高飛びしてる間に、汽船の無電技師のエディーと婚約した。そこにデュークが舞い戻って来たのでケイトは窮したが、デュークが捕らえられ投獄されたので安心して、エディーと結婚式を挙げた。式後の祝宴場にデュークの弟ベビー・フェイスがケイトを脅迫に来たがドーランがやってきたので逃げてしまう。デュークは自動車の床下に身を潜めて脱獄し、夫のエディーが航海に出て全身不随のエディーの父親サージと2人きりでケイトが居るのを奇貨として、彼女に匿ってくれと強いた。ケイトはやむなく屋根裏にデュークを匿うことにした。デュークは弟や一味のものと共に銀行破りを企て、ついに数万ドルの紙幣を盗んでケイトの屋根裏に潜み高飛びの機会を待った。ドーランとヘレンとはいよいよ結婚することになり、ドーランの愛犬をケイトの許に預けにやってきた。口の聞けないサージは眼をまたたくことにより、電信符号でデュークが屋根裏にいることをドーランに知らせた。ドーランは符号を書きとって暇乞いをし、翻訳をヘレンに頼んだ。翻訳してみたヘレンは姉の身の一大事とケイトの許へ駆けつける。ドーランもその後で翻訳をみて、デュークに1万ドルの懸賞金がついてることとて宙を飛んで駆けつける。デュークが危ないと勘づいて逃げ支度をしていたところへドーランが飛び込んできたので、一発射って相手が倒れた間に、天窓を破って屋根のうえに出た。腕を射られただけのドーランは起きあがってデュークを射ったので悪漢は転落して死んだ。ドーランは署長にケイトを巧く取り繕い、自らは懸賞金を得た。そしてヘレンと結婚式を挙げた。

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映画レビュー

4.0ウォルシュのラブコメディ

2024年5月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「ウォルシュを観て死ね!」というラウォール・ウォルシュ特集上映をしているシネマヴェーラ渋谷で観た本作『金髪乱れて』は、なかなか極上のコメディ映画だった。
(※)自分は会社帰りに行った夜の回、けっこう混んでて「さすが!」の感🙌

この映画、波止場付近の日本でいう下町っぽい雰囲気あり。
冒頭、警官のスペンサー・トレイシーが映って始まるが、目の前を通る荷車からバナナを勝手に取って食べたり、禁酒法時代なのにベロンベロンの酔っ払いとやりとりしたり……と自由気ままな姿が楽しい。
そして、カウンタースナックらしき店で働いているジョーン・ベネットに向かって、警官スペンサー・トレイシーは「赤毛の女」と言うが、ジョーン・ベネットは「金髪よ!」と言い返したりする。そのうちに二人がお互い好きになっていくラブロマンス・コメディとなっていくのだが、二人が会話をする場面で「実際に口に出して言ったこと」と「本当は……と心の中で思っている心の声」の応酬がたまらなく楽しい😄w

そんな二人のラブコメディに、脱獄囚とジョーン・ベネットの姉のエピソードなどを絡ませながら、なかなかのコメディが見られる。
ところどころで「滑ったコメディ場面」も見られるが、それはそれで楽しい🤣笑

また、個人的にはジョーン・ベネットのスタイルが好きで、スラリとした姿とキュートな感じがナイス!💕

この映画、1001本映画にも選出されたにも拘らず、なかなか観る機会が無かった作品。
ようやく観ることができたラウォール・ウォルシュの佳作✨

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たいちぃ
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