米国の機密室

解説

「無軌道行進曲」「悪夢」のウィリアム・パウエルが主演する映画で、ハーバート・O・ヤードリーの小説に基づいて、「猫と提琴」のベラ及びサミュエル・スペワックが潤色し、「駄法螺男爵」のP・J・ウルフソンが「羅馬太平記」のジョージ・オプンハイマーと協力して脚色し、「Gウーマン」「悪夢」のウィリアム・K・ハワードが監督に任じ、「浮かれ姫君」「白い繭」のウィリアム・ダニエルスが撮影した。助演者は「悪夢」「空の軍隊」のロザリンド・ラッセルを初め「ダイヤモンド・ジム」のビニー・バーンズ「西班牙狂想曲」のライオネル・アトウィル及びシーザー・ロメロ、「シーコウヤ」のサミュエル・S・ハインズその他である。

1935年製作/アメリカ
原題:Rendezvous

ストーリー

1917年欧州大戦に参加した米国の暗号が敵のスパイに盗まれ、輸送船はドイツの潜水艦に沈没せしめられた。陸軍当局では次官カーター、暗号課長ブレノン少佐等が額を集めて対策に腐心していた。新聞記者ビル・ゴードンは以前匿名で暗号研究の貴重な著書を出版しその方面の権威だが、机上の仕事に飽きたらずとし、本名で軍隊に志願し欧州へ出征する事になっていた。彼はある席で顔見知りになったジョエルという娘に、今日出征するから見送ってくれと嘘をいい、分かれの印に接吻を乞うた。2人が抱き合っている間に汽車は出てしまったので、騙されたのを知ったジョエルは怒ったが、こんな事から2人は段々慕い合うようになった。いよいよ本当に出征する日、停車場で彼女に別れを告げていると、陸軍省からの命令でビルは暗号課詰めに転任された。彼はいやいやながらそこで今の仕事が終えたら欧州へ行かして貰う約束で働く事になったが、彼の筆名を当局に知らして転任をさせたのは愛人ジョエルで、彼女は次官カーターの姪だったのである。ある夜ブレノンが自分のアパートで殺され暗号手帳が盗まれた。ビルは少佐の葬式に来たオリヴィアを怪しいと思って拘引した。彼女はブレノンの隠れた愛人であったが、ビルはそのまま彼女を釈放し秘かに動静を探った。ビルが彼女と食事を共にしていると、そこへ軽い嫉妬を覚えたジョエルは知り合いの某大使館付き武官ニコロイェフと一緒に現れたが使いがきて彼はすぐ帰っていった。その時電話でオリヴィア宛の郵便物に記された暗号が現れたと、技師長からビルへ知らせがあったが、中途で銃声が聞こえて電話は切れた。ビルはオリヴィアの拾って来た大使館を捜索しニコロイェフの机上にブレノンの暗号手帳を発見した。ニコロイェフは潔く窓から投身自殺を遂げた。しかしこれは敵の計略で彼は一身を犠牲にして他の仲間を守ろうとしたのである。ビルはそれを知って何気なくオリヴィアに心を許した振りを装い、彼女がスパイの中心人物なる事を突き止めた。敵はかえってジョエルを虜にしてビルを脅迫したが間一髪のところでGメンの活躍により、スパイ団は全滅した。任務を終わったビルは約束通り出征の途に上がるため停車場でジョエルに別れを告げた。出発の間際命令がきて再び本省詰めに転任を命じられた。ジョエルの計らいだ。彼女はこそこそと人混みへ逃げだし、ビルは汽車を下りて後を追っかけた。

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映画レビュー

4.0ロザリンド・ラッセル主演のホントに楽しい映画

2022年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これは面白い!
機密情報を扱うスパイもので、敵の暗号を盗む/盗まれるという展開はサスペンス的でもあり、恋愛ドラマも盛り込まれるコメディタッチの映画だった。

今年4月にシネマヴェーラ渋谷で観た『クレイグの妻』が大傑作で、その主演女優ロザリンド・ラッセルが好きになったので、このDVDを購入したのだが、DVDジャケットにはロザリンド・ラッセルが主演っぽい雰囲気が記載されていなかったので放置していたもの…(^^;

しかし、「この映画は面白い!」というレビューを昨日読ませていただいて、棚から引っ張り出して観たら、本当に面白かった!

このロザリンド・ラッセルという女優、本作のような映画でコメディエンヌを演じさせたら流石である。
美人だし、惚れた男が浮気しているなどと思い込むあたりも楽しい(^^)
ただ、彼女の出演作の多くが「なかなか観られない状態」というのは何とかならないだろうか?

映画レビューは、最初の3行でほとんど言い尽くした感があるので、この辺で。

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たいちぃ
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