劇場公開日 1980年8月14日

「ブルック・シールズ主演の南洋を舞台にしたサバイバル映画」青い珊瑚礁(1980) Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ブルック・シールズ主演の南洋を舞台にしたサバイバル映画

2022年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

孤島に二人だけ残された少年少女のサバイバル映画。成長した少女をブルック・シールズが演じているのが最大のセールスポイント。人間の生命力と性の目覚めを、今日的な映像表現で創作した青春映画の爽やかさと実直さがある。ただし、ストーリーも展開も先が読めるものでドラマの醍醐味はない。全ては南洋の美しい海と光、若々しい肉体の躍動美だけの映画。ブルック・シールズが主演でなければ鑑賞の意味が無いが、撮影をネストール・アルメンドロスが担当しているのも意外であり、見所になっている。

  1980年 11月27日  銀座文化2

作品は特別優れたものでは無いが、後年DVDで観直した時、副音声の監督ランダル・クレイザーと主演のシールズとクリストファー・アトキンズの会話が面白かった。撮影スタッフが偶然デヴィット・リーン監督に遭遇して、リーンから若い映画人の映画制作でやり辛くなっていると愚痴を聴かされたとある。巨匠に言われたクレイザー監督が、そのことをまた愚痴るところに同情した。そして、大人になったシールズとアトキンズが撮影秘話と当時の想いを回想していて、これが失われた青春のノスタルジーになっている。本編の裏話に過ぎないかも知れないが、この語りを聴きながら本編を見ると新たな良さを発見したようで不思議な感情に包まれた。ラストシーンの結末を続編で知ったふたりが感慨深く振り返るところが印象的だ。役と俳優が何処かで今も繋がっている。演じることの経験を通して成長した、ふたりの素直で率直な想いが美しい。

Gustav