劇場公開日 1980年8月14日

「シールズさんと海がひたすら美しい」青い珊瑚礁(1980) とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5シールズさんと海がひたすら美しい

2020年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

寝られる

萌える

R15指定?
オールヌードだから?あの頃はメジャーだったイメージ先行の懐かしい人種差別的表現もあるか(日本人は皆髷を結っていて、腹切りして…のレベルの描写)。

指南役の料理人とか、ボートに流れ着いた衣装ケースとか、それなりの整合性は持たせようとはしているが、ご都合主義な展開。
とはいえ、もし、少年少女が二人きりで成長したら?に特化した、ある意味、性教育的映画。
離乳食という概念あったかな?とも心配にはなるが…、
身体の変化や湧き上がる衝動等への戸惑いが描かれている。
ラスト切ない展開も…。
アイドル系の映画と侮ってその辺を適当に描き、もっとロマンティック要素を煽るのかと思っていたら違った。
その分、退屈に思えるかもしれない。

今の現状をすべて受け入れようとした矢先…という展開には寓話をみるべきなのか?

アトキンズ氏はいい演技をしているが、何となく映画の雰囲気にのまれてしまって、ただのイケメン俳優に見えてしまうのが惜しい。

”漂流”という言葉からイメージするのは、『二年間の休暇(十五少年漂流記)』なのだが、それに比べると、サバイバル・冒険要素はない。

テーブルの上には、二人では食べきれないだろうというほどに盛られた珍しい魚介類と果物。葉で蒸し焼きにしているはタロイモか?
それを銀色の小さなスプーンでついばむエメライン。
海に潜って泳いでいるシーンが多く、まるでリゾートに来たかのようで、サバイバルに苦労するシーンや親しい人を懐かしむシーンもない。
(エメラインは孤児で、リチャードは母を亡くしたばかり。それまで住んでいた土地を離れ、新天地に向かう途中の事故。船を借り切るほどの金持ちならば、当時は家の中で家庭教師による初等教育を受けており、今のように”学校”に通っておらず、使用人に囲まれての生活だったろうから、昔懐かしい人を思い出す場面がなくとも当然か?)

あんな小さな船で大西洋を渡るのねと、豪華客船を見慣れている身には驚きだが、
基本、観ているこちらもリゾート気分を味わえる。
シールズさんと海、孤島の景色に酔いしれる映画。

とみいじょん