愛蘭土人の幸運

解説

アラン・ドワンが「運命の兵士」に続いてリアルアート社から発売した特作映画で、ハロルド・マクグラスの原作をドワンが自ら脚色監督したものである。主役は「大自然の掟」出演のジェームズ・カークウッドで、相手としてアンナ・Q・ニルソンが出演する。

1920年製作/アメリカ
原題:The Luck of the Irish

ストーリー

ウィリアム・グローガンは真面目な船職工であった。彼は地下室にある自分の店の窓から街路を通る人達を眺めるだけが、外の世界との唯一の交通であった。彼はある美しい婦人の足を毎日見ては何ともいえぬ慕しい気持ちに浸っていたが、彼はその足の持ち主である婦人の顔を仰ぎ見ようとはしなかった。それは自分の美しい夢を破りたくなかったからである。その婦人というのはルス・ウォーレンという美しい学校の先生であった。彼女はノートン・カルバートンという、美しい女を獲るためには金と時間を惜しまないという、放蕩紳士に認められて5月うるさくつきまとわれて、まさに結婚までしようとしたが、その間際に身を隠して永い船旅に出ようと汽船へ乗り組む。この船には遺産を獲て大金持ちになったグローガンがいた。彼は予て慕っていた美しい足の持ち主を認めた。そして彼女に振りかかって来るカルバートンの迫害から彼女を守ることに全力を尽くすことになる。このため彼女は幾度か危地に陷ったが遂にカルバートンは罰せられ、ルスはグローガン夫人となる。

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