愛の虚言

解説

「悪魔の眠る時」「負けじ魂」等の原作を書いたピーター・B・カインの小説「港口の砂州」“The Harbor Barを「世界とその女」等の原作者なるトンプソン・ブカナンが脚色し、W・S・ヴァン・ダイクが監督した海上大活劇で、主役は「孔雀の路」「結婚とは」等出演のモント・ブルーと、イギリス生れの新進女優イヴリン・ブレントとである。因みにアソシエーテッド・オーサース社とは4人の著名な劇作家である、フランク・ウッズ、エルマー・ハリス、トンプソン・ブカナン、クラーク・トーマスが連合して組織した映画製作会社である。

1923年製作/アメリカ
原題:Loving Lies

ストーリー

曳船チーフ号の船長ダン・ストーヴァーはエレンと結婚したが、ダンを雇っている会社の社長ヘイデンはかねてエレンを想っていたので、2人が結婚後も度々彼女に言い寄るのであった。曳船の運転士ジャック・エリスが不慮の死を遂げた時、彼の恋人マッヂは途方に暮れてジャックの友なるダンに相談する。この不幸な女を憐れに思ってダンは出来るだけの助力をしてやったが、それが彼の妻エレンには世間の風評通り、ダンとマッヂが恋仲であるように取れるのであった。エレンが海を恐れているので、ダンは暴風雨の夜など職務の上から海へ船を出すときは隣の町へ用事で行くのだなどと偽りを言って妻を安心させていたが、その彼の心尽くしの愛の虚言も今では彼女には夫の愛がないように思われ、恋しあうマッヂと夫とを一緒にさせようと、自分は悲しい決心をしてある暴風雨激しい夜に家出をした。彼女の乗った船が難破したとき、ダンは決死的努力で彼女を救い2人の間の誤解も解け新しい幸福が2人の上に輝く日が来た。

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