劇場公開日 2013年3月1日

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「もはやタランティーノに敵ナシ!」ジャンゴ 繋がれざる者 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0もはやタランティーノに敵ナシ!

2013年8月7日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

タランティーノが西部劇を撮る。しかも、マカロニ・ウエスタン風に。
そう聞いた時、胸踊った。ご存知の通り、タランティーノは熱狂的なマカロニ・ウエスタン・マニア。
本当は劇場で見たかったのだが、近くの映画で公開されず(泣)、レンタルになるのを待っていた。見たくても見れなかった欲求は充分に満たされた!

「イングロリアス・バスターズ」に続き、本作も大当たり!
まず、最高の娯楽映画。シンプルな物語だけどメリハリがあって、起承転結、非常に胸のすく活劇。
“ジャンゴ”というタイトルや主人公の名前やテーマ曲、コテコテとした感じ…マカロニ・ウエスタンへのオマージュにニヤリ。初代ジャンゴも特別出演。
男二人のバディ・ムービー、賞金稼ぎの旅、愛妻を取り戻す復讐劇、黒人奴隷問題を扱った社会派の一面、そこにタランティーノらしいバイオレンス、ユーモア、映画愛をたっぷり織り交ぜ、その巧みな手腕は賞賛モノ!

タランティーノは役者の魅力を引き出すのも巧い。今回も役者たちが光っている。
ジャンゴ役ジェイミー・フォックスは、一奴隷からいっぱしのガンマンへの変貌ぶり、愛妻を取り戻そうとする男の格好良さを見事に演じきっていて、「Ray」以来の当たり役。
ディカプリオの悪役もイイが、特筆すべきはクリストフ・ヴァルツとサミュエル・L・ジャクソン。
ヴァルツはドイツから来た歯科医兼賞金稼ぎのシュルツ。紳士的な物腰でユーモラスな一面を見せる傍ら、腕は一流。黒人に偏見を持っておらず、ジャンゴと絆を育み賞金稼ぎのイロハを叩き込み、情にも厚く、レオ演じる非道な農園主に静かに怒りが沸く。う〜ん、何て美味しい役!
サミュエルはレオに仕える奴隷頭。口は悪いが、陰で主人を操るほど狡猾で、ジャンゴとシュルツの目的を一早く見抜く。悪役としてレオより場をさらう。

この映画、黒人奴隷の描写に、映画で描かれる黒人描写に物申す某黒人監督がいつもながら噛み付いた。
だけど、批判される覚えは全く無いと感じた。
確かに“ニガー”を連発、黒人奴隷の描写は目に余るが、それがかえって問題を提起している。偽善など微塵も無い、ストレートな訴え。
奴隷からガンマンへ、妻と自由を取り戻すジャンゴの姿はこれ以上ないメッセージではないか!
(KKKを徹底的におちょくったシーンも最高)

受けにくいジャンルやテーマを扱いながらも、映画はヒット、オスカーも受賞。
もはやタランティーノに敵ナシ!

近大
m@yu-chanさんのコメント
2019年10月1日

私も「ジャンゴ」は大好きです!☆5ですよね(笑)!
クリストフ・ヴァルツも良かったですねー。

Netflixで配信してるので、久し振りに観たくなりました。

m@yu-chan
としぱぱさんのコメント
2013年11月12日

近大さん、コメントありがとうございます。
ジャンゴ面白かったですよね。
ここ最近の西部劇があまり、ヒットしなかった中
での大ヒット、本当に良かった。
ハリウッドも作品がこけると一時期、
作製が見送りとかになってしまいますからね。
正に、異才の監督さんです。
次回作楽しみです。

としぱぱ