劇場公開日 2013年3月1日

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「脚本もキャスティングも痛快そのもの」ジャンゴ 繋がれざる者 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0脚本もキャスティングも痛快そのもの

2013年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

「続・荒野の用心棒」(1966)の主題歌が懐かしい。45回転で回るセブンシーズの黒いレーベルを思い出す。

舞台を南北戦争直前に設定し、アフリカ系黒人への人種差別が当然の社会に、白人を撃ちまくる黒人ガンマンを主人公に据える。それだけでも痛快だ。

ジャンゴの師となる元歯科医のシュルツが乗る馬車は、屋根でギコギコ、バネの軋む音を立てて揺れる大きな歯が愉快で、どこか人を喰ったようで気取り屋のシュルツにぴったりの小道具だ。シュルツを演じるクリストフ・ヴァルツは、どの作品を観ても面白く、独特の存在感がある。

ディカプリオの悪役ぶりもいい。ムッシュ・キャンディは多くの黒人奴隷をプラントで働かせるだけでなく、黒人同士を戦わせるマンディンゴを好む残虐性を持つ。そのキャンディが黒人のジャンゴを客人としてもてなさなければならないタランティーノの発想に拍手。

しかも、この悪人の執事にサミュエル・L・ジャクソンが狡猾な黒人を絵に描いたような風体で登場。話を一筋縄では終わらせない仕掛けにも抜かりがない。

ジャンゴの「DJANGOのDは発音しない」に対し「わかってる」と返す人物こそ本作最高のサプライズ。

マスター@だんだん