「名作の名にふさわしい本当にすばらしい作品です」劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語 仙人@仙人の結界さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0名作の名にふさわしい本当にすばらしい作品です

2012年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

2か月前の10月1日に偶然この作品に出会い、動画配信で徹夜で一挙に全部見ました。すぐにDVDとBDを発注し、DVDとBDでも見て、さらに劇場版が上映されていることを知り、劇場版も見に行きました。以来何度も映画館に行き、劇場版は恐らく15回~20回以上見たのではないかと思います。今日はすでに前編を見終えて、これから後編を見ますが、何度見ても感動します。特に後編は涙の止まらない人が多く、最初から最後までずっと泣き続けている人も時々見かけます。

作品の質としては、過去のアニメの劇場版の中では、『人狼』(1999年)、『雲のむこう、約束の場所』(2004年)、『秒速5センチメートル』(2007年)に匹敵するレベルです。実写の映画では、『プラトーン(Platoon)』(1986年)、ディレクターズ・カットの『ブレードランナー(Blade Runner)』(1982年、ディレクターズ・カット1992年)、『ジャンヌ・ダルク(The Messenger: The Story of Joan of Arc)』(1999年)などと同じレベルと考えて間違いありません。テレビアニメでは、『最終兵器彼女』(2002年)、『灰羽連盟』(2002年)、『GUNSLINGER GIRL』(2003年)、『エルフェンリート』(2004年)などと同等レベルです。

良い作品を見たいのであれば、絶対に見るべき作品だと言えます。それに今、映画館で映画を見るなら、この作品です。先月は『のぼうの城』などもついでに見ましたが、『のぼうの城』は一度見れば十分の作品。迫力があって、笑えるだけの作品でした。この『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』は、本当に深く感動する作品だと思います。しかも、何度見ても感動は変わらないどころか、深まる一方です。

すでに一度見た人も、今の内にもう一度見ておくことをお勧めします。最初見たときに気づかなかった登場人物の心情に気づいたりするのではないかと思います。いずれにせよ、この作品は一度見ただけで全てを理解できるような作品ではありません。少なくとも数回見ないと、本当の味わいは出てこないのではないかと思います。

ついでながら、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』は、テレビで放映したオリジナル版をバージョンアップした様な内容で、基本的にオリジナル版と同じと見ていいです。ただ、絵が非常にきれいになっています。また、削除できるところは削除して短くなっていると共に、新しいシーンを一部追加しています。後編では追加シーンがちょっと多いと思います。

主題歌はオリジナル版(TV版)とは違う『ルミナス』と言う曲が冒頭に使われています。劇中、56分ぐらいたったところで、オリジナル版の主題曲の『コネクト』が突然始まります。初めての人は、ちょっと驚くかもしれません。最後は、オーケストラバージョンの『コネクト』と劇場版のために作られた『ひかりふる』で締めくくられます。オーケストラバージョンの『コネクト』はなかなか良かったです。できれば、ショートバージョンではなく、フルバージョンでやってほしかったです。

オーケストラバージョンの『コネクト』が流れている時に、意味不明の読めない文字がたくさん画面に出ますが、すでに解読されていますので、関心があったら、ウェブを検索してみてください。「魔女文字」などと呼ばれている文字です。

最後に『新編』の宣伝があって、全て終了になります。『前編』と『後編』がオリジナル版そのものであることと、来年全く新しい『新編』が出るということを知らずに映画館に来ていた人をたまに見かけましたので、ご注意ください。

なお、この劇場版を見るために、事前にテレビのオリジナル版を見る必要はありません。たぶん、どちらを先に見てもあまり変わらないと思います。ただ、テレビ版の各エピソードをつないだ構成になっているため、映画の長さでの起承転結の形にはなっていません。総集編であるため、それは仕方がないことだと思います。

仙人@仙人の結界