劇場公開日 2013年3月22日

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「宗教の一側面」ザ・マスター とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0宗教の一側面

2020年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

知的

難しい

ご自身4歳まで新興宗教の宣教師の息子として育って、お兄様を薬物で亡くされているフェニックス氏がフレッドを演じているのは必然か偶然か。

難解な映画。
鑑賞していて気持ちが良い映画ではない。
”愛”とはなんだというのを、考えさえてくれる映画。
解説が欲しくなる。でも、与えてはくれない。

救えると思ってしまった男と、救われたいと思った男の綱引き。
そこに、救えると思ってしまった男の家族が関わり、綱引きを複雑にしていく。

愛とは、信仰とは、支配ー被支配の関係でしか、あり得ないのか。
宗教とは、自分にとって都合の良い夢を見せることなのか。
魂の救いとは、何なのか。
”呪文”は、空っぽの魂を満たすのか。

究極のテーマをつきつける。
しかも、これでもかというほど、醜悪に。

ラスト。
これは、絶望なのか。ある一種の解脱。救いを示しているのか。
見る人によって、いろいろな感想があり得るだろう。
私的には、乾いた、魂の叫びが痛々したかった。

とみいじょん