劇場公開日 2012年10月13日

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「ガツンとくる地味で無慈悲な殺戮」SAFE セイフ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ガツンとくる地味で無慈悲な殺戮

2019年1月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 八百長ボクシングでうっかり対戦相手を病院送りにしてしまいロシアンマフィアのボスに大損させ、みせしめに妻を殺されて自暴自棄になったジェイソンの前に現れた中国人少女。彼女は一度見たものは絶対忘れない記憶力と驚異的な暗算能力を持った天才で、その能力ゆえにチャイニーズマフィアに誘拐され本国からNYに不法入国させられマフィアの仕事を手伝わされていた。ボスから数字がびっしり書かれたメモを暗記させられたことから、その数字を巡ってロシアンマフィアとチャイニーズマフィア、そしてNY市警が激しく争う中逃亡した少女を間一髪のところで助けたジェイソンは自らの過去に計らずも直面させられ組織に戦いを挑むことを決意する。

 風が吹けば桶屋が儲かる的に転がるお話、んなアホな!?的偶然、リーチ裏ドラ的な都合の良すぎる設定はいかにもC級で目新しくも何ともないですが、トレーラーにも滲み出ているギリギリ節度が保たれた無慈悲な暴力描写が痛々しいまでにスタイリッシュ。突然横っ腹に突っ込んでくる車、4WDで空き缶のように撥ね飛ばされるマフィアの雑魚キャラ、何にもしてないのに画面の隅っこで蜂の巣にされる一般市民。ド派手に血飛沫撒き散らすよりこういう地味な殺戮の方がガツンとくるということをよく解ってらっしゃる。監督のボアズ・イェーキン、初耳の名前だなと思ったら同じくNY舞台で故ブリタニー・マーフィー主演の秀作コメディ『アップタウン・ガールズ』の監督さんとのこと。全然作風が違うので驚きましたがそれだけ器用なんでしょうね。

よね